2019-2020ベルギーリーグプレビュー Vol.1 KRCヘンク

2019-09-13

移籍マーケットが閉じたので、毎年恒例ながら、毎年途中で終わってしまう(苦笑)ベルギーリーグのチームを紹介するのをやりたいと思います。

現所属メンバー

GK

1 ダニー・ヴコヴィッチ オーストラリア 1985.3.27(34歳)
26 マールテン・ヴァンデヴォート ベルギー 2002.2.16(17歳)
28 ガエタン・クッケ ベルギー 1998.12.3(20歳)

DF

2 カスパー・デ・ノーレ ベルギー 1997.2.7(22歳)
5 ネット・ボルジェス ブラジル 1996.9.13(22歳)
6 セバスティアン・デワースト ベルギー 1991.5.27(27歳)
21 イェレ・ウロネン フィンランド 1994.6.13(24歳)
31 ヨアキム・メーレ デンマーク 1997.5.20(21歳)
33 ジョン・ルクミ コロンビア 1998.6.26(20歳)
35 ショーン・アデウェイェ 2000.6.29(19歳)
45 ジョセフ・アイド ガーナ 1995.9.29(23歳)

MF

4 ドリース・ヴォウテルス ベルギー 1997.1.28(21歳)
8 ブライアン・ヘイネン ベルギー 1997.2.6(21歳)
17 パトリック・。フロソフスキー スロヴァキア 1997.10.4(21歳)
19 ヤクブ・ピオトロフスキ ポーランド 1997.10.4(21歳)
23 ヤニス・ハジ ルーマニア 1998.10.22(20歳)
25 サンデル・ベルグ ノルウェー 1998.2.14(20歳)
54 ウラジミール・スクレチュ ルーマニア 2000.1.13(18歳)

FW

7 伊東純也 日本 1993.3.9(26歳)
10 ムブワナ・サマッタ タンザニア 1992.12.23(25歳)
11 ジョセフ・ペイントシル ガーナ 1998.2.1(20歳)
14 ベンヤミン・ニグレン スウェーデン 2001.1.8(18歳)
15 ステファン・オデイ ナイジェリア 1998.1.15(21歳)
18 ポール・オヌアチュ ナイジェリア 1994.3.28(25歳)
27 テオ・ボンゴンダ ベルギー 1995.2.1(21歳)
77 ディウメルシ・エンドンガラ DRコンゴ 1991.6.14(27歳)

監督

フェリチェ・マッズ ベルギー 1966.3.12(53歳) ※新任

移籍

in

FW テオ・ボンゴンダ(ズルテ・ワレヘム)
FW ポール・オヌアチュ(ミッティラン/デンマーク)
MF パトリック・フロソフスキー(ヴィクトリア・プルゼニ/チェコ)
MF ヤニス・ハジ(ヴィートルル・コンスタンツァ/ルーマニア)
DF カルロス・クエスタ(アトレティコ・ナシオナル/コロンビア)
FW ベンヤミン・ニグレン(ゲテボリ/スウェーデン)
FW ステファン・オデイ(チューリッヒ/スイス)

out

FW レアンドロ・トロサール(ブライトン/イングランド)
MF ルスラン・マリノフスキー(アタランタ/イタリア)
DF ジョセフ・エイドー(セルタ/スペイン)
FW マヌエル・ベンソン(アントワープ)
FW マルクス・イングヴァルトセン(ウニオン・ベルリン/ドイツ)
MF イブラヒマ・セック(ズルテ・ワレヘム)
DF ヤクブ・ブラベツ(ヴィクトリア・プルゼニ/チェコ)

ローン移籍

FW ジーニョ・ガノ(アントワープ)
FW ダンテ・ヴァンザール(メヘレン)
GK ノルディン・ヤッケルス(ワースラント・ベフェレン)
DF エメ・カーマス(ロメル)
DF ルビン・セージェル(ベールスホット)
FW アドリアーノ・ベルタッチーニ(デインゼ)
MF イヴァン・フィオリッチ(AEKラルナカ/キプロス)

契約満了

DF ボヤン・ナスティッチ
FW ニコラオス・カレリス

序盤から首位を明け渡すことなくリーグ制覇

2017-2018シーズンは5位ながら、主力の残留やEL予備予選でのゴールラッシュにより、前評判が高かったヘンク。2017年12月からヘンクを率いたフィリップ・クレマンのチームは、序盤戦からポジションチェンジを繰り返す波状攻撃を武器に猛威を振るった。第10節以降一度も首位を明け渡すことなく、2010-2011シーズン以来のリーグ優勝を果たした。

優勝の原動力になった伊東純也

10月から1度も首位を譲らなかったヘンクだが、2月は当時のキャプテン、アレハンドロ・ポスエロの移籍騒動の影響や、ノルウェー代表MFサンダー・ベルゲの長期離脱により、チームはなかなか勝てない時期が続いていた。飛躍が期待されたヨーロッパリーグでも、ノックアウトラウンドでのスラヴィア・プラハ戦では、アウェーで1-1にするも、ホームでの第2戦でまさかの1-4で敗退。プレーオフに向けて、着実にチームを作っているクルブに迫られており、逆転でタイトルを逃す予想も多かった。

そのヘンクにおいて、重要なキーマンとなったのは、シーズン途中からレギュラーを確保したMFブライアン・ヘイネンと、2月からヘンクに加わった伊東純也。前者はMLSへ旅立ったポスエロの後釜を担い、後者はシーズン通してウィークポイントとされてきた、右ウイングを担った。

すでに日本代表の常連であった伊東だが、ベルギーでは名前が知られず、当初は獲得自体が疑問視されたが、加入1ヶ月でチーム内で頭角を現し、第29節からは右ウイングのレギュラーに定着。PO1に入り、初戦のアンデルレヒト戦でゴール、第3節のクルブ戦でアシストを決め、これまで決め手にかけていた右サイドを活性化。ポジションは異なるが、カナダへ去ったポスエロに代わるチームの核として優勝に大きく貢献。現地からは「伊東がいなければ優勝ができなかった」とさえ言わせた。

フォーメーション

今夏のオフにベルギー代表FWレアンドロ・トロサール(→ブライトン)、MFルスラン・マリノフスキー(→アタランタ)がそれぞれ移籍。監督のフィリップ・クレマンがクルブへ復帰し、新監督にシャルルロワを6年率い、PO1に3回導いた、フェリチェ・マッズを招聘した。

トロサールの後釜として、ズルテ・ワレヘムから700万ユーロで獲得した、元U-21ベルギー代表FWテオ・ボンゴンダが、シーズン前の負傷により出遅れた。もう一人の大目玉であるルーマニア代表MFヤニス・ハジは、開幕戦こそゴールを挙げたが、チームにフィットせず、こちらも出遅れている。昨シーズンから在籍しているFWペイントシル、MFピオトルフスキーが奮闘しているが、マッズ新監督にとって頭が痛い状況に陥っている。

守備陣もアイドーの放出、ヴコヴィッチがアキレス腱断裂による長期離脱と、不安材料が多いものの、ロメルから復帰したGKガエタン・クッケが奮闘しており、守備陣は安定感はあるのが救いどころだが、今の課題はやはり攻撃だろう。

徐々に伊東のスピードに対応していっているベルギーリーグに対し、マッズ監督はインサイドでの仕掛けも要求している。開幕当初は戸惑いも感じられたが、第5節のワースラント・ベフェレン戦では、ポストプレーからアシストも決めており、プレーの幅を広げており、サマッタとの連携に磨きをかけている。

注目選手

MF サンダー・ベルゲ

若干21歳ながら、ノルウェー代表の主軸を担うアンカー。193cmの大柄な体格を活かしたボール奪取、組み立て、推進力と攻守ともにオールラウンドな能力を兼ね揃える次世代を担うニュースターとして期待される。昨シーズン限りでの退団が濃厚と見られたが、高額な移籍金でなかなか交渉が上手くいかず、今シーズンはヘンクの一員としてCLを戦うことになった。

FW ムブワナ・アリー・サマッタ

昨シーズン22得点で大ブレークを果たしたタンザニアの英雄。抜群のスピードを活かしたショートカウンターを得意とするスピードスターだが、両足頭と器用にゴールを決められる。今夏はフランス、ロシアなどから獲得オファーが来たが、サマッタは念願のCL出場を選択。今シーズンも6試合5得点と得点ランク首位に立っている。

MF ヤニス・ハジ

80-90年代のルーマニアの大スター、ゲオルゲ・ハジの息子のヤニス・ハジ。若干20歳ながら、ヴィートルル・コンスタンツァでキャプテンを務め、U-21欧州選手権では3位になり、来年の東京五輪出場を決めた。ヘンクではまだまだフィットしていないが、開幕のコルトレイク戦で途中出場し、ファーストタッチでゴールを決め、勝負強さを披露した。父親同様、テクニカルで創造性溢れるプレーを得意とする。

MF ブライアン・ヘイネン

昨シーズンは大黒柱のポスエロが退団した後に、レギュラーに定着し、見事優勝に導いた元U-21ベルギー代表の実力者。ポスエロ在籍時は堅実な守備的MFのイメージが強かったが、昨シーズンはハイボールのターゲット、2列目からの鋭い飛び出しを得意とし、背番号8に変えた今シーズンはプレースキッカーも務める、まさにヘンクに欠かせない大黒柱だ。

FW テオ・ボンゴンダ

昨シーズンはズルテ・ワレヘムで、14得点14アシストを決め、700万ユーロの移籍金でヘンクに加わったボンゴンダ。かつてはセルタでも80試合以上起用された実力者だったが、2017年に移籍したトラブゾンスポルで上手くいかず、恩師デュリーの下で頭角を現した。ヘンクへの移籍の理由に「ベルギー代表入りを果たす」という目標を定めている。

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