シャルルロワ、2024年にスタジアム移転計画発表
スポルティング・シャルルロワのディレクターのメフディ・バヤトは、24日にシャルルロワ公式フェイスブックライブにて、新事業計画「ホライズン2024」を発表し、新スタジアム移転計画を発表した。
2012年にクラブの財政破綻により、イラン人実業家のアッバス・バヤトから、アスリート向けの健康食品メーカーのQNTを運営するファビアン・ドゥベクに引き継ぎ、前会長の息子のメフディ・バヤトがディレクターに就任。クラブの財政改善、地域密着、集客、インフラ整備、若手育成プロジェクトなど盛り込んだ、9カ年計画「3-6-9」を打ち出して以降、シャルルロワの財政を改善し、現在では年間200~300万ユーロの黒字を出し、クラブ成績も3度のプレーオフ1進出を果たし、アントワープ、メヘレンとともに伸び盛りのクラブとして注目されている。
メフディ・バヤト
「現在のシャルルロワのスタジアムは、快適さ、テクノロジー、将来を見据えたイベント開催にしても、もはや基準を満たしているとは言えない。現在のマンブールのあるスタジアムを回収するプランもあったが、現在では適切に改修することはできない。クラブをこれ以上大きくするには、新しい場所でスタジアムを新築しないといけない。新しいスタジアムにすれば、多額な利益を生み出すことができるだけではなく、多くの新規ファンも獲得できる。スタジアム移転後、わずか1年でリーグ優勝を果たしたヘントが良い例でしょう。簡単にはいかないが、大きなチームと競争するためには改革が必要だ」
現在使用している「スタッド・ペイ・ドゥ・シャルルロワ」は、以前は自国開催となったEURO2000の会場になり、当時は25000人収容だった。しかし、スタジアムが住宅地のど真ん中にあるため、日照権の問題により近隣住民の苦情もあったため、2013年にバックスタンド側の2階席を撤去し、14000人収容に縮小。2016年には再増築して、現在は17000人収容になっている。
自分も2度、このスタジアムへ行ってるが、一見立派なサッカー専用スタジアムに見えるが、メイン、バック共に、手すりや柱などで見えにくい場所が多く、中継では見えない通路などはヒビが入っている部分もあり、老朽化は激しい。移転計画は10年以上前から言われており、オランダとの共同開催を目指した2018年W杯開催時には、郊外での新スタジアム建設の計画もあった。
現在、シャルルロワは新築のスタジアムの収容人数を21000席と考えており、自己資金は6000万ユーロを用意しているという。新天地は現在のスタジアムから、半径5km以内と考えており、場所、資金などでシャルルロワ市との協議を行うと発言している。近年増加しつつある、店舗、トレーニングジム、オフィスなどが併設されている複合型スタジアムは考慮に入れていないが、ハイブリッド芝を採用し、音楽ライブやイベントを含めて、年間40日の稼働を視野に入れたスタジアムを構想している。
またメフディ・バヤトは、2年以内に新しいトレーニング施設の建設を明言。現在のトレーニング施設は、シャルルロワの中心部から離れているため、移動などでネックになるため、スタジアムから近い場所への移転を検討。プレーヤーとスタッフの意見を元に、最新鋭の施設を目指すという。
そして、シャルルロワの育成プロジェクト「ゼブラタレント」の強化も明言。メフディ・バヤトは「2012年では育成部門の運営予算は50万ユーロだったが、現在では年間200万ユーロの投資を行っている。投資するのみではなく、年間1~2名はトップチームへの昇格を目指している。そのためには子供たちに自信を与えるような優秀な指導者や環境が必要だ」と応えている。
2012年の事実上の破産に陥ったシャルルロワだが、QNTのファビアン・ドゥベクがクラブを買収し、「3-6-9」計画により、財政改善、動員増、地域社会との連携と健全経営により、信頼を獲得してきた。これまでリーグでも下から半分が定位置だった地方クラブだが、計画発表から7年でPO1進出3回、1度のヨーロッパリーグ出場と、見違えるような実績を上げてきた。
それでもスタジアムやトレーニング施設など、ハード面では問題を抱えるシャルルロワ。毎年プレーオフ1進出とベルギーカップの優勝を目指しているクラブだが、2024年でのスタジアム建設が実現したとき、シャルルロワはトップを争うクラブへの成長が期待されるだろう。
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