2018-2019ベルギーリーグプレビュー Vol.8 KRCゲンク
2週間ほど空きましたが、ベルギーリーグプレビュー第8回目。ちょうど半分になる今回は、優勝候補の呼び声が非常に高い、KRCゲンクです。
Contents
現所属メンバー
※赤文字が新加入、紫文字が完全移籍
GK
1 ダニー・ヴコヴィッチ オーストラリア 1985.3.27(33歳)
26 マールテン・ヴァンデヴォート ベルギー 2002.2.16(16歳)
30 ノルディン・ヤンケルス ベルギー 1997.9.5(21歳)
DF
3 ボヤン・ナスティッチ ボスニア・ヘルツェゴビナ 1994.7.6(24歳)
6 セバスティアン・デワースト ベルギー 1991.5.27(27歳)
21 イェレ・ウロネン フィンランド 1994.6.13(24歳)
23 ルビン・シーゲルス ベルギー1998.1.11(20歳)
31 ヨアキム・メーレ デンマーク 1997.5.20(21歳)
33 フォン・ルシミ コロンビア 1998.6.26(20歳)
45 ジョセフ・アイド ガーナ 1995.9.29(23歳)
54 ウラジミール・スクレチュ 2000.1.13(18歳)
MF
4 ドリース・ヴォウテルス ベルギー 1997.1.28(21歳)
11 ジョセフ・ペイントシル ガーナ 1998.2.1(20歳)
17 イブラヒマ・セック セネガル 1989.8.10(29歳)
18 ルスラン・マリノフスキー ウクライナ 1994.5.4(24歳)
19 ヤクブ・ピオトロフスキ ポーランド 1997.10.4(21歳)
20 イヴァン・フィオリッチ クロアチア 1996.4.20(22歳)
24 アレハンドロ・ポスエロ スペイン 1991.9.20(26歳)
25 サンデル・ベルグ ノルウェー 1998.2.14(20歳)
28 ブライアン・ヘイネン ベルギー 1997.2.6(21歳)
FW
8 エドン・ザゴロヴァ コソボ 1999.3.31(19歳)
9 マルクス・イングヴァルトセン デンマーク 1996.1.4(22歳)
10 ムブワナ・サマッタ タンザニア 1992.12.23(25歳)
14 レアンドロ・トロサール ベルギー 1994.12.4(23歳)
77 ディウメルシ・エンドンガラ DRコンゴ 1991.6.14(27歳)
93 ジーノ・ガノ ベルギー 1993.10.13(24歳)
監督
フィリップ・クレマン ベルギー 1974.3.22(44歳) 2年目
移籍
※
青文字が期限付き移籍
緑文字が期限付き移籍満了
紫文字が期限付き移籍からの完全移籍
加入
DF ウラジミール・スクレクル(ウニベルシタテス・クライオヴァ/ルーマニア)
DF ジョン・ルスミ(デポルティボ・カリ/コロンビア)
MF マティッセ・ディデン(パトロ・イースデン・マーストメヘレン)
MF イヴァン・フィオリッチ(ディナモ・ザグレブ/クロアチア)
MF ジョセフ・ペイントセル(フェレンツヴァーロシュ/ハンガリー)
MF ディウメルシ・エンドンガラ(スタンダール・リエージュ)
FW ジーノ・ガノ(オーステンデ)
放出
GK ガエタン・クッケ(ロメル)
DF ヤクブ・ブラベツ(リゼスポル/トルコ)
DF アミーヌ・カマス(デン・ボッシュ/オランダ)
DF オマル・コリー(サンプドリア/イタリア)
DF クリントン・マタ(シャルルロワ)
DF キーノ・ドゥロルジュ(ディナモ・ブカレスト/ルーマニア)
DF クリストフ・ヤンセンス(ウェステルロ)
MF ダンテ・ヴァンツァール(ベールスホット・ウィルライク)
MF ホリー・ツィマンガ
MF トーマス・ブッフェル(ズルテ・ワレヘム)
MF パオロ・サバク(NEC/オランダ)
MF マヌエル・ベンソン(ムスクロン)
MF ピエール・ゼビル(アスコリ/イタリア)
FW ニコス・カレリス(PAOK/ギリシャ)
FW シーベ・スフライヴェルス(クルブ・ブルッヘ)
創設30年ながら国内屈指の実力を誇る
KRCゲンクの創設は1988年。ベルギー東部のリンブルグ州の人口6万人の工業都市、ゲンクをホームとする、KFCウィンテルスラグとワテルスヘイSVが合併し、KRCゲンクが設立されました。設立後は1部と2部を行き来するエレベータークラブだったが、1998-1999シーズンにベルギーリーグ初優勝を果たすと、アンデルレヒト、クルブ・ブルッヘ、スタンダール・リエージュと並び、強豪の一角に名を連ねるようになりました。
オランダ南部からベルギー東部に渡り、公用語のフラマン語(オランダ語)の他に、ドイツ語の方言に当たるリンブルグ語が話される、独特な文化が形成されている「リンブルグ地方」を代表するクラブとして、わずか30年の歴史で、ベルギーリーグ優勝3回、ベルギーカップ優勝、UEFAヨーロッパリーグベスト8が1回と、スタンダールやゲントなどよりも上回った実績を残しています。2001-2002シーズンでは、後に名古屋グランパスの監督になる、セフ・フェルホーセンの元、リーグとカップの二冠を達成しています。
同じリンブルグ州をホームとする、シント・トロイデン(STVV)とは、ライバル関係で、両者が対戦する「リンブルグダービー」は、国内有数のダービーとして盛り上がっています。1950年代から、リンブルグ州を代表するクラブだった、シント・トロイデンにとっては、後発のゲンクは面白くない存在であり、「古豪vs新興勢力」という図式とも捉えられます。
ベルギーの育成を象徴するクラブ
ゲンクといえば、やはり育成。アヤックスとの提携を結んでいた関係から、20世紀から育成組織に着手し、2003年にユースシステムが設立。その際には、当時のセフ・フェルホーセン監督の助言と、当時のスポンサーだった日東電工からの増資により、アンデルレヒトやスタンダール・リエージュより早く、寄宿所が建設されました。その一足早くできた育成組織から、ケヴィン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)、ティボー・クルトワ(レアル・マドリー)、ヤニック・カラスコ(大連一方)などのベルギー代表選手を多数輩出しています。
育成組織の充実のみならず、スカウト網も充実しており、ゲンクは毎年平均年齢が若いチームを形成しており、世界各国から若いタレントを集めて、欧州の強豪チームへ送り込んでいます。近年では、セルゲイ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチ(ラツィオ)、レオン・ベイリー(レヴァークーゼン)、カリドゥ・クリバリ(ナポリ)など、ゲンクでプレーしてきました。
負傷者続出で優勝戦線に絡めず
昨シーズンのゲンクは、UEFAヨーロッパリーグでの躍進から、優勝候補の呼び声が高く、2010-2011シーズン以来のリーグ優勝を期待されました。
しかし、シーズン序盤から、エース格のレアンドロ・トロサール、ムブワナ・サマッタが長期離脱、11月には中盤の要のサンダル・ベルグが靱帯断裂の大怪我により、シーズンを棒に振る大怪我を負い、序盤から波に乗れず、12月には当時のアルベルト・スタイフェンベルグ監督が解任されました。
好調のワースラント・ベフェレンから、フィリップ・クレマン監督を引き抜いたゲンクは、同じくワースラントのキャプテン、イブラヒマ・セックの引き抜きに成功。シーズン絶望のベルグの代役を確保すると、2018年の年明けから調子を取り戻し、レギュラーシーズンを5位に入り、その後のプレーオフも5位で終了し、ヨーロッパリーグの出場権はなんとか確保。しかし、シーズン序盤から優勝戦線に全く絡めず、不本意な結果で終わってしまいました。
爆発的な攻撃力が魅力
KRCゲンク https://t.co/VdbqSeuBAu pic.twitter.com/rcqxJnYffl
— footballtactics.net (@tacticsbooks) September 17, 2018
リーグ戦、ヨーロッパリーグ予選と、公式戦13試合において、すでに40得点まで到達しており、今季はベルギーリーグでも屈指の得点力を発揮しているゲンク。守備の要のオマル・コリーが、サンプドリアへ放出したこともあり、守備面ではまだまだ不安定な面が見受けられるが、それを上回る得点力で勝利を積み重ねています。
快速の両サイドアタッカー、レアンドロ・トロサール、ディウメルシ・エンドンガラが鋭いドリブルでチャンスを作り、多彩なパスとテクニックが持ち味のポズエロ、強力なキック力が持ち味のマリノフスキー、そして卓越した身体能力と決定力を誇るサマッタが中央に担います。ワースラントでも得点力で物を言わせたフィリップ・クレマン監督だが、ゲンクでもそのスタイルにはかわりありません。
注目選手
トロサール、ポズエロ、マリノフスキーらは、以前から触れているので、今回は外国人の3選手を取り上げます。
FW ムブワナ・サマッタ
今シーズンから背番号10に変更した、タンザニア代表のストライカー、ムブワナ・サマッタ。ボックス内での冷静さが冴え渡るワンタッチストライカーで、両足頭を問わずゴールを量産する、今季のゲンクを左右するストライカー。昨シーズンは負傷離脱が多く、本領発揮とならなかったが、今シーズンは相手を背負ったプレーもこなすようになり、プレーの幅も広げています。今季こそは得点王に期待がかかります。
MF サンダル・ベルグ
ノルウェー代表の若きアンカー。レスター・シティへ移籍した、エンディディの後釜として、当時18歳でノルウェーの名門ヴァレレンガから獲得し、すかさずレギュラーに定着。193cmの長身とフィジカルの強さを活かしたボール奪取力とキープ力が売りで、国外ビッグクラブからも注目されています。昨シーズンは、11月での負傷でシーズンを棒に振ったが、今シーズンはライバルのセックからポジションを奪い、開幕からレギュラーに定着しています。
DF ヨアキム・メーレ
昨シーズン、デンマークのオールボーから獲得した、21歳の右サイドバックのメーレ。186cmで体格に恵まれ、激しい上下動でチームを活性化させる。昨シーズンは、同ポジションのクリントン・マタと激しいポジション争いを繰り広げたが、マタはクルブへ移籍し、メーレが不動のレギュラーに定着。近い将来、デンマーク代表の招集にも期待がかかります。
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