2018-2019 ベルギーリーグプレビュー Vol.1 クルブ・ブルッヘ

ベルギー代表が史上初の3位の快挙を果たしたW杯が終わり、7月27日の「スタンダール・リエージュ-ゲント」から、2018-2019シーズンのベルギーリーグが開幕します。久保裕也(ゲント)、森岡亮太(アンデルレヒト)、豊川雄太(オイペン)、冨安健洋(STVV)に加え、今季から、植田直通(セルクル)、関根貴大、遠藤航(共にSTVV)が加わり、日本人選手が多く増えました。

全チーム取り上げられるのか分かりませんが、開幕に合わせて、レビュー記事を書いていきたいと思います。まずは昨シーズンの覇者のクルブから取り上げていきます。

現所属メンバー(7/22現在)

※赤文字は新加入

GK

1 カルロ・レティカ クロアチア 1997.2.11(21歳)
18 ギヨーム・ユベール ベルギー 1994.1.11(24歳)
22 イーサン・ホーヴァース アメリカ 1995.6.9(23歳)
ウラジミール・ガブロフ ロシア 1989.10.19(28歳) ※W杯

DF

2 アレクサンドル・ショルツ デンマーク 1992.10.24(25歳)
4 ルアン・ペレス ブラジル 1994.7.19(24歳)
5 ベノワ・プラン フランス 1987.5.27(31歳)
14 イヴァン・トメチェク クロアチア 1989.12.7(28歳)
15 マテイ・ミトロヴィッチ クロアチア 1993.11.10(24歳)
21 ディオン・コールス ベルギー 1996.6.4(22歳)
24 ステファーノ・デンスウィル オランダ 1993.5.7(25歳)
35 サウロ・デカルリ スイス 1992.2.4(26歳)
44 ブランドン・メヘレ ベルギー 1993.1.28(25歳)
77 クリントン・マタ 1992.11.9(25歳)
96 アーメド・トゥバ ベルギー 1998.3.13(20歳)

MF

8 リオル・ラファエロフ イスラエル 1986.4.26(32歳)
18 マーヴェラス・ナカムバ ジンバブエ 1994.1.19(24歳)
20 ハンス・ヴァナーケン ベルギー 1992.6.24(26歳)
25 ルート・フォルメル オランダ 1988.5.11(30歳)
26 マッツ・リッツ ベルギー 1993.7.18(25歳)
40 ジョルディ・ヴァンレルベルゲ ベルギー 1996.6.27(22歳)
98 ブランドン・バイイェ ベルギー 2000.12.27(17歳)

FW

7 ウェズレイ・モラエス ブラジル 1996.11.26(21歳)
9 イェレ・ヴォセン ベルギー 1989.3.22(29歳)
10 アブドゥライ・ディアビ マリ 1991.3.21(27歳)
11 クレパン・ディアッタ セネガル 1999.2.25(19歳)
16 シーベ・スフライヴェルス 1996.7.16(22歳)
17 アントニー・リンボンベ ベルギー 1994.7.15(24歳)
19 ティボー・ヴリーティンク ベルギー 1997.8.19(20歳)
42 エマニュエル・デニス ナイジェリア 1997.11.15(20歳)
47 アルナルト・グルーネフェルト オランダ 1997.1.31(21歳)
80 ルイス・オペンダ ベルギー 2000.2.16(18歳)
  サンデル・コープマン ベルギー 1995.3.12(23歳)
フラン・ブロディッチ クロアチア 1997.1.6(21歳)

監督

イヴァン・レコ クロアチア 1978.27(40歳)

移籍

加入

MF マッツ・リッツ(メヘレン)
FW シーベ・スフライヴェルス(ゲンク)
FW アルナルト・グルーネフェルト(NEC/オランダ)
GK カルロ・レティカ(ハイデュク・スプリト/クロアチア)
DF クリントン・マタ(シャルルロワ)
DF ルアン・ペレス(フルミネンセ/ブラジル)
MF サンデル・コープマン(ズルテ・ワレヘム) ※期限付き移籍満了
DF マテイ・ミトロヴィッチ(ベシクタシュ) ※期限付き移籍→完全移籍
MF ブランドン・バイイェ ※トップチーム昇格
FW ルイス・オペンダ ※トップチーム昇格

放出

MF ティミー・シモンス(引退)
FW エルトン・アコラツェ(STVV)
FW ジェレミー・ペルベ(シャルルロワ)
DF エルハン・マソヴィッチ(ザンクトガレン/スイス)
FW ニコラス・ストルム(メヘレン)
MF ローラン・ルモワーヌ(メヘレン)
MF イェレルト・ヴァン・ランドスホート(OHルーヴェン)
MF ドリン・ロタリウ(AZ/オランダ)
MF ヨルディ・クラーシ(サウサンプトン) ※期限付き移籍満了
GK ケネス・フェルメール(フェイエノールト) ※期限付き移籍満了

フランデレンを代表するクラブ

設立は1891年。ブルッヘのカトリック学校と一般学校の卒業生によって、ブルフスヘFCとして設立されました。以後、一部のメンバーが離反して、FCブルジョワ、ヴラームスフFCが設立されるが、ブルフスヘFCとFCブルジョワが合併。1926年にベルギーサッカー協会が、クラブの登録制度を開始し、登録番号3番を得たクラブは、ロイヤルFCブルジョワへ改名。1973年にはオランダ語の「クルブ・ブルッヘ」へ再び改名して、現在に至ります。

以降、ベルギーリーグ優勝15回、ベルギーカップ優勝11回を誇る、アンデルレヒト、スタンダール・リエージュと並ぶ強豪クラブになり、1977-198シーズンのUEFAチャンピオンズカップでは、ベルギー勢唯一の決勝に進出しました。

スタジアムは、29042人収容のヤン・ブレイデル・スタディオンを使用。同本拠地のセルクル・ブルッヘと共用しています。国内屈指の集客力を誇り、平均の観客数は毎年25000人程で、リーグトップクラス。スタジアムの老朽化と芝生の劣化などが目立ち、スタジアムの新築が検討されていますが、ヤン・ブレイデルを今後も使い続ける方針のセルクル・ブルッヘとの関係や、莫大な建設費などで、なかなか進展しない状況が続いています。

クロアチアと縁が深いクラブ

クラブレジェンドは、70年代から90年代初頭まで、ベルギー代表でも活躍してきたMFヤン・クーレマンス、80年代初頭から1999年までプレーし、守備リーダーとして活躍してきた、DFフランキー・ヴァンデルエルスト、昨シーズン限りで引退した、元ベルギー代表の守備職人でキャプテンのMFティミー・シモンスが代表的。2001年に大分トリニータでプレーした、DFロレンツォ・スターレンスもクルブで10年以上プレーしてきました。

70年代ではオランダの名選手ロブ・レンセンブリンク、80年代では後にフランスのエースとなるジャン・ピエール・パパンらがプレー。近年では、2002年W杯でセネガルの10番として活躍してきたMFカリル・ファディガ、コロンビア代表FWカルロス・バッカ(ビジャレアル)、FWホセ・イスキエルド(ブライトン)、コスタリカ代表DFオスカル・ドゥアルテ(エスパニョール)、現オーストラリア代表正GKマシュー・ライアン(ブライトン)などがプレーしました。

現在、ベルギー代表の右SBとして活躍するトマ・ムニエ(PSG)も、2011年から5年間クルブでプレー。ルクセンブルクに近い、ベルギー最南端のエクセルシオール・ヴィルトンでプレーしてきた頃は、センターフォワード、ウイングなどでプレーしていたが、クルブの台所事情により、2012年11月から右サイドバックに余儀なくされたが、これが転機となり、ベルギー代表に欠かせぬ主力として駆け上がりました。

また、伝統的にクロアチア人選手を多く獲得しており、今年のW杯でも大活躍したイヴァン・ペリシッチ(インテル)もプレーし、2010-2011シーズンにはベルギーリーグ得点王にも輝いています。他には90年代に活躍したMFマリオ・スタニッチ、2000年代にはFWボシュコ・バラバンもプレー。現監督のイヴァン・レコも、2005年から4年間プレー。現在もGKレティカ、DFトマチャク、ミトロヴィッチなど3人が在籍しています。

攻撃陣爆発で2シーズンぶりのリーグ優勝

昨シーズンは、勇退したミシェル・プロドーム監督の後釜として、現役時代に4年プレーした、元クロアチア代表のイヴァン・レコが新監督に就任。2014年にOHルーヴェンで指導者のキャリアを始め、当時まだ39歳とキャリアは浅かったが、序盤から攻撃陣が爆発し、シーズン半ばに2位との差を10点以上つけて首位を独走。プレーオフでは、アンデルレヒト、ゲントに連敗を喫するものの、レギュラーシーズンでの貯金で逃げ切り、2シーズンぶりの優勝を果たしました。

予想フォーメーション


即戦力はメヘレンから加入したマッツ・リッツ、ハイデュク・スプリトの正GKを務めたクロアチアの若手GKカルロ・レティカ、U-21代表の10番を背負ったFWシーベ・スフライヴェルス。主力の放出はほぼなく、CLとの兼ね合いも併せて、選手層を分厚くしました。

リーグ屈指の攻撃力を誇るだけに、ウイングバックに突破力が優れたアタッカーを使用することが多く、攻撃時には5トップを形成することも。昨シーズンは、ディアビ、ウェズレイ、ヴァナーケン、フォルメルが2桁ゴールを達成しました。特にリーグMVPを獲得したMFハンス・ヴァナーケンのパフォーマンスは素晴らしく、懐が深いボールさばきから、鋭いミドルシュートやサイドに散らしてからのヘッドで、たくさんのゴールを演出してきました。

守備は3バックの個人能力に依存することが多く、両ウイングバックの裏を狙われることが多いです。それでも圧倒的な攻撃力で店の取り合いを制してきたが、各チームとも研究が進んでいるだけに、今季は守備の改善にも大きな課題になっています。

注目選手

前回のプレーオフ前特集で取り上げた選手とは、別の選手を取り上げたいと思います。

FW ウェズレイ

11得点を挙げて、2シーズンぶりの優勝に貢献した、現在21歳のウェズレイ。その活躍が認められ、昨シーズンの最優秀若手選手に選ばれました。ブラジル出身だが、18歳でスロヴァキアのASトレンチーンへ移籍。2016年にクルブへ移籍すると、2年目からはレギュラーに定着しています。192cmと恵まれた体格を活かしたポストプレーと、打点の高いヘッドを得意としています。

MF マッツ・リッツ

今シーズン、メヘレンから移籍してきたセンターハーフ。16歳で当時所属してきたゲルミナル・ベールスホットで、ベルギーリーグデビューを果たし、デビュー戦で2得点を決めて、将来を嘱望されました。しかし、2011年に移籍したアヤックスでは1試合も出場することはなく、1年半で国内復帰。メヘレンでは4年半、主力としてて活躍してきたものの、昨シーズンは奮闘虚しく最下位で降格し、今季からクルブでプレーすることになりました。中盤ではどのポジションもこなし、正確なキックからチャンスを多くつくり、過密日程必至のチームの命運を占う存在です。

DF ステファーノ・デンスウィル

オランダの各年代別の代表でプレーしてきた左利きのセンターバック。2001年からアヤックスの下部組織でプレーし、将来を期待されたが、トップチーム昇格後は出場機会が恵まれずに、2015年にクルブへ移籍。移籍後はレギュラーで活躍し、2度の優勝に貢献しています。188cmと恵まれた体格を活かして、強靭な守備を披露しつつも、左足からのロングフィードやフリーキックを得意とする、攻撃力も優れています。

Monacoinを投げる
モナゲ(tipmona)ってなに?
そもそもMonacoinってなに?