残り3試合、プレーオフ争い

5位から10位まで、勝ち点4差の激戦を繰り広げられるプレーオフ争い。残り対戦カードをまとめて見ました。

対戦カード

第28節 第29節 第30節
5 コルトライク 39  (H)ズルテ・ワレヘム (A)クルブ・ブルッヘ (H)シャルルロワ
6 ゲンク 38 (H)アントワープ (A)W-B (H)ゲント
7 アントワープ 38 (A)ゲンク  (H)オイペン (A)アンデルレヒト
8 スタンダール 37 (H)クルブ・ブルッヘ (H)メヘレン (A)オーステンデ
9 STVV 36 (A)オーステンデ (A)シャルルロワ (H)クルブ・ブルッヘ
10 W-B 35 (H)ゲント (H)ゲンク  (A)メヘレン

チーム情報

6位までが優勝プレーオフに参戦できるベルギーリーグ。勝ち点4差の中で、コルトライク、ゲンク、アントワープ、スタンダール・リエージュ、STVV(シント・トロイデン)、ワースラント・べヴェレンの6チームがひしめき合う状況になっています。

5位のコルトライクは、昨年の11月に15位に低迷し、ヤニス・アナスタシウ監督を解任し、セルクル・ブルッヘやオランダのVVVフェンロでも歴任した、グレン・デ・ブーク氏が就任して以降、チームは8勝を挙げ、とうとうプレーオフ圏内の5位まで上昇してきました。チームの特徴は、フランス人のアタッカー、テディ・シュヴァリエ、ジェレミー・ペルベと、ベルギーリーグ屈指の点取り屋が揃う前線が強烈なチームです。クラブオーナーは、イングランドのカーディフも所有する、マレーシア人のヴィンセント・タン氏ですが、このチームは元々ユニフォームが赤色のため、カーディフのようにチームカラーを変えるようなことはありません

6位ゲンクは、12月にワースラントから、フィリップ・クレマン監督、年明けには同じくキャプテンのイブラヒマ・セックを引き抜き、チームは調子を上げています。去年のヨーロッパリーグベスト8で、本来は優勝争いに絡んでもおかしくないチームですが、序盤戦から怪我人の続出で苦しんでいた印象が強く感じられます。現在は、ギリシャ代表FWカレリス、タンザニア代表FWサマッタなどの点取り屋が復帰。得点力不足も徐々に改善が見られます。注目選手はスペイン人MFアレハンドロ・ポズエロ。

7位は、「グレートオールド」こと、ベルギー最古のクラブ、ロイヤル・アントワープ。昇格組ながら、序盤戦から上位に食い込む大健闘を見せていたが、1月以降はたったの1勝で、年明け前は4位だったものの、一気に7位まで降下してきました。特別に得点力があるストライカーには恵まれていないものの、トルコ代表GKシナン・ボラトの活躍や、歴戦のルーマニアの知将、ラースロー・ボローニが採用する「0トップ」によって健闘していたが、今年に入ってからは失点増が気になるところです。

8位はスタンダール。リカルド・サ・ピント監督が就任し、序盤こそは勝利に恵まれず、上位にほとんど絡むことはできなかったが、ここ最近は6位付近にウロウロしています。有名所ではメキシコ代表GKオチョア、元ベルギー代表DFポコニョーリ、モロッコ代表MFカルセラなど。4-4-2をベースとしたソリッドな守備から、鋭いカウンターでFWオルランド・サ、エモンの破壊力ある2トップが稼いでいくチームです。ちなみにリカルド・サ・ピント監督は、6チームでは唯一開幕から率いるものの、今季3回出場停止を食らっています

9位は、日本資本のDMMが買収したSTVV。アビスパ福岡からDF冨安健洋選手を獲得し、ファジアーノ岡山、大分トリニータと業務提携を結び、前FC東京の立石敬之氏がGMに就任しています。第2節でタンタン・マルケス氏からヨナス・デ・ルーク氏に監督が交代するものの、前半戦から好調で、一時は3位につけることもありました。ハイプレスが特徴のチームで、序盤戦からショートカウンターが猛威を振るっていましたが、アタッカー陣の得点力の物足りなさが顕著になっています。冨安選手は、プレーオフからの出場の噂ですが、果たしてどちらへ…?

10位は、ゲンクに監督とキャプテンがゲンクに引き抜かれ、司令塔の森岡亮太がアンデルレヒトへ引き抜かれてしまうワースラント・べヴェレン。クレマン監督の後任には、クルブからやってきたスヴェン・ヴェルマン監督の元、チームはプレーオフ争いにまだまだ絡んでいます。森岡は引き抜かれたものの、相変わらずエースストライカーのテリンは好調をキープしています。勝ち点はやや開いているが、リーグ屈指の堅守を誇るゲントに勝てば、勢いづくかもしれません。

レビュー

興味深いのは6位のゲンクの対戦カード。第28節がアントワープ、第29節がワースラント・べヴェレンとの直接対決で、最終節が現在4位のゲントとの対戦で、3試合とも厳しい日程になっています。特に監督とキャプテンを引き抜いたワースラント・べヴェレンとの直接対決で、しかもアウェーで戦うので、フレーティルスタディオンの雰囲気も異様なものになりそうな予感がします。フィリップ・クレマン監督とMFイブラヒマ・セックにとってはプレッシャーが掛かりそうです。

5位コルトライク、9位STVVは、上位2チームのクルブ、シャルルロワを残す難しい日程になっています。この2チームは優勝プレーオフ進出は決定しているものの、2018年に入り、勝ち点が伸び悩んでいるが、プレーオフに入り、そろそろ勝利を積み重ねないと、逆転を許しかねない状況にもなりかねないでしょう。コルトライクの次節の相手は、隣町のクラブ、ズルテ・ワレヘムとのダービーマッチだけに、ゲンクとは違った厳しさがある日程と言えるでしょう。

更に今年のベルギーカップは、ゲンクとスタンダール・リエージュが決勝進出し、勝者は来シーズンのUEFAヨーロッパリーグのグループリーグでの出場が決定します。その勝者がどちらのプレーオフに進出するかで、今季の優勝プレーオフの行方も大きく左右します。

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