森岡亮太が移籍したシャルルロワについて
1月30日、アンデルレヒトに所属していた、日本代表MF森岡亮太が、買い取りオプション付きで、今シーズン終了までシャルルロワへの移籍が決定した。移籍するシャルルロワについて触れてみます。
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ワロンの雄、シャルルロワ
2016-2017、2017-2018シーズン連続でプレーオフ1に進出している、ベルギー南部ワロン地方エノー州のシャルルロワをホームとする、スポルティング・シャルルロワ。
スポルティング・シャルルロワ公式
http://www.sporting-charleroi.be/
1904年に創設、シマウマを意味する「ゼブラス」の愛称で親しまれるスポルティング・シャルルロワ。80年代中頃からトップリーグに定着し、中堅クラブとして定着。2010-2011シーズンに最下位で2部に1度降格するも1年で復帰。2012年にスポーツ食品・サプリメントを販売するQNTの会長で、元ボディビルダーのファビアン・ドゥベク氏がオーナーに就任して以降、長年悩まされていた財政難を克服し、プレーオフ1争いを毎年繰り広げている。
ホームは、スタッド・ペイ・ドゥ・シャルルロワ。EURO2000の会場にもなった3万人収容のスタジアムだった。しかし、住宅地の一角にあるため、日照権の問題によって、2階席は撤去し、現在は15000人収容になっている。
2000年から2012年まで、イラン人ビジネスマンのアッバス・バヤートが会長を務め、現在では息子のメフディ・バヤートがチーフマネージャーを務めることから、伝統的にイラン人選手を獲得することが多く、昨シーズンはイラン代表FWカーヴェ・レザイー、今シーズンはMFアリ・ゴリザデ、オミド・ノーラフカン、FWユネス・デルフィがプレーしている。
2017年の最優秀監督、フェリス・マッズ
シャルルロワを率いるのは、2013年に就任したフェリス・マッズ監督。シャルルロワ出身のイタリア系ベルギー人で、20歳までスポルティング・シャルルロワの下部組織でプレーしていたが、トップチームに昇格できず、学校の体育教師を務めながら、アマチュアクラブを転々としていた。1990年頃から街クラブの指導者として少年たちにサッカーを教えていたが、1996年からはアマチュアクラブの指導にあたり、2009-2010シーズンには当時2部のテュビズの監督として1年間率いた。
2010年から率いたホワイトスター・ウォルウェでは、当時3部のクラブを昇格させ、初年度でベルギーカップベスト8に進出。2部に昇格した初年度でも昇格争いを演じた腕を評価され、2013年夏に少年時代にプレーしたスポルティング・シャルルロワの監督に就任した。トップチームに昇格できなかった地元のサッカー少年が、監督として27年ぶりの復帰になった。
ベルギー国内では中位クラスの資金力のシャルルロワは、毎年のように主力選手は引き抜かれるものの、無名でも能力の優れる選手のリクルートと、多様のフォーメーションを使い分けながら、鋭いカウンター攻撃を構築する、フェリス・マッズの戦術が噛みあい、2014-2015シーズン、2016-2017シーズンでは5位、2017-2018シーズンには6位と好成績を収めている。昨シーズンでは前半戦をクルブと共にトップ争いを演じ、フェリス・マッズ監督は2017年度の最優秀監督を受賞した。
主なフォーメーション
今季は前半戦が4-2-3-1を採用することは多かったが、昨年末から3-4-1-2(または3-4-2-1)を採用することが多くなっている。相手のスカウティングと試合展開によって、柔軟にシステムを変更するタイプで、この他には4-4-2、4-3-1-2、4-3-3も過去に使用するなど、ベルギーリーグ屈指の策士とも呼び声は高い。守備の整備には定評があり、堅い守備からのロングカウンターを得意とするチームを作る傾向にある。
しかし、メンバーの入れ替わりが激しいため、活躍した選手も短期間で放出されることもあるため、中心に添えていた選手の動向次第で、チームの浮き沈みが激しい傾向にある。昨シーズンの前半戦に活躍したドディ・ルケバキオ(現デュッセルドルフ)を放出すると、攻撃陣の再構築に手間がかかり、一気に失速。レギュラーシーズンは2位になるも、プレーオフでは振るわず、6位で終了している。
今シーズンもチーム得点王のクリスティアン・ベナベンテが、エジプトの新興勢力、ピラミッズFCへ移籍。昨シーズンの失速の教訓を活かし、プレーオフ1進出のためにも、2列目を本職とするベナベンテに代わる、セカンドストライカー(トップ下)として、森岡亮太には期待がかかる。
主な所属選手
GK ニコラ・ペントー
バスティア、ヴァランシエンヌで、フランス・リーグアンで400試合以上の出場数を誇る、37歳の大ベテランGK。シャルルロワでは2014年夏からプレーし、150試合以上出場。ゴールライン上でのポジショニングとコーチングを駆使する、安定感に優れた実力者。
DF フランシスコ・マルトス
バルサカンテラ出身の35歳のスペイン人のセンターバック。トップチームに昇格し、2006年にプロデビューを果たすものの、出場機会は恵まれず、スペイン2部、ブルガリア、ギリシャなどを転々としていた。2010年1月にシャルルロワへ移籍したから、シャルルロワでは所属選手最長の9年目を迎える。181cmながら、対人守備の強さと統率力に優れる、頼れるキャプテン。
DF ドリアン・ドゥソレイユ
地元シャルルロワ出身の26歳のセンターバック。シャルルロワの下部組織出身だが、シント・トロイデン、ヴィルトンなどでプレーした後に、2015年からシャルルロワへ復帰。188cmの身長とフィジカルの強さを活かした空中戦の強さが特徴。
DF ステルゴス・マリノス
ギリシャ代表経験がある31歳の右サイドバック。ギリシャの名門パナシナイコスで100試合以上出場した経験がある。シャルルロワでは2013年からプレーし、不動の右サイドバックでプレー。タイミングの良い攻撃参加からアシストを決める。
MF マルコ・イライマハリトラ
フランスの名門ソショーの下部組織出身で、シャルルロワでは2017年からプレーするマダガスカル代表の23歳のセンターハーフ。ボール奪取力に優れ、カウンターの起点となる。意表をついたロングシュートも得意としている。アフリカ選手権の予選では主力として活躍し、マダガスカル代表の初出場に導いた。
MF ガエタン・ヘンドリクス
イライマハリトラと共に中盤を引き締める23歳のセンターハーフ。ゲンクの下部組織出身だが、シント・トロイデンを経て、2016年からシャルルロワでプレー。上背はないものの、エネルギッシュな運動量を活かし、攻守のリンクマンとして活躍する。
MF マッシモ・ブルーノ
シャルルロワの下部組織出身で、アンデルレヒトでは、ベルギー代表MFデニス・プラート(現サンプドリア)と共に主力を担ったサイドアタッカー。キレのあるドリブル突破を武器にチャンスを作り、アンデルレヒトでは3度の優勝に貢献した。ザルツブルク、ライプツィヒなどでプレーはしたが、近年は不調に喘ぎ、7年ぶりに復帰したシャルルロワで再起を図る。
MF アリ・ゴリザデ
今シーズンからシャルルロワに加わった、22歳のイラン代表の右ウイング。右サイドからカット・インして、利き足の左でシュートを狙うタイプのアタッカーだが、右足も十分に操れるため、縦への突破も得意としている。イラン代表の主力として定着していたが、12月の怪我により、アジアカップは出場断念した。
FW ジェレミー・ペルベ
ベルギーリーグでは2度の得点王に輝いている、34歳のフランス人ストライカー。出身国のフランスでは、2部、3部などでのプレーがほとんどだったが、ベルギーで才能が開花。2013年には、スペインで2部に降格していたビジャレアルへ加わり、18試合11得点の大活躍で、昇格の原動力となった。ペナルティボックス内で鋭い集中力を発揮する生粋のセンターフォワード。
FW ヴィクター・オシムヘン
今季、ヴォルフスブルクから期限付きで加わった、ナイジェリア代表のセンターフォワード。ヴォルフスブルクでは活躍できなかったものの、シャルルロワでは開幕時からレギュラーに定着し、16試合9得点と活躍している。体幹の強さ、スピードに優れ、カウンター攻撃の仕上げを担う20歳の若きストライカー。
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