2018-2019ベルギーリーグプレビュー Vol.4 スポルティング・シャルルロワ
ベルギーリーグプレビュー第4弾。今回は2シーズン連続のプレーオフ進出。今、ベルギー5強に割って入ろうとする「ワロンの雄」、スポルティング・シャルルロワです。
Contents
所属メンバー
赤文字が新加入、青文字が期限付き移籍から復帰、緑が昇格
GK
1 ニコラ・ペヌトゥー フランス 1981.2.28(37歳)
12 ヨアヒム・イムブレヒト スウェーデン 200110.9(16歳)
15 ヴァレンタン・ボーム ベルギー 1997.1.25(21歳)
35 パルフェ・マンダンダ DRコンゴ 1989.10.10(28歳)
レミ・リウ フランス 1987.8.6(31歳)
DF
4 マクシム・ブシ ベルギー 1999.10.24(18歳)
5 ドリアン・デルヴィトゥ フランス 1988.7.25(30歳)
6 ジョイコ・ザイコフ マケドニア 1995.2.10(23歳)
8 フランシスコ・マルトス(c) スペイン 1984.1.4(34歳)
17 ステルゴス・マリノス ギリシャ 1987.9.17(30歳)
23 スティーヴン・ヴィレムス フランス 1990.8.31(27歳)
24 ドリアン・ドゥソレイユ ベルギー 1992.8.7(25歳)
25 ヌリオ・フォルトゥナ ポルトガル 1995.3.24(23歳)
27 ムシエ・ビアントゥムッソカ フランス 1998.5.6(20歳)
41 フランシス・エンガンガ コンゴ 1985.6.16(32歳)
MF
7 オミド・ノーラフカン イラン 1997.4.9(20歳)
13 クリストフ・ディアンディ セネガル 1990.11.25(27歳)
14 クリスティアン・ベナベンテ ペルー 1994.5.19(23歳)
18 アマラ・バビー セネガル 1989.2.23(29歳)
22 ガエタン・ヘンドリクス ベルギー 1995.3.30(22歳)
26 マルコ・イライマハリトラ マダガスカル 1995.7.26(22歳)
28 エネス・サグリク ベルギー 1991.7.8(26歳)
29 ロマン・グランジュ フランス 1988.7.21(29歳)
77 ママドゥ・ファル セネガル 1991.12.31(26歳)
FW
9 カーヴェ・レザイー イラン 1992.4.5(25歳)
10 ジェレミー・ペルベ フランス 1984.12.12(33歳)
19 ヴィリー・サメド フランス 1994.4.27(23歳)
88 アリ・ゴリザデ イラン 1996.3.10(22歳)
移籍
加入
GK レミ・リウ(アランヤスポル/トルコ)
DF ドリアン・デルヴィトゥ(ボルトン・ワンダラーズ/イングランド)
MF オミド・ノーラフカン(エステグラル/イラン)
FW アリ・ゴリザデ(サイパ/イラン)
放出
DF クリントン・マタ(クルブ・ブルッヘ)
FW フロリアン・ステヴァンス(トゥール/フランス)
FW クリス・ベディア(ズルテ・ワレヘム) ※期限付き移籍
FW ダヴィ・ポレ(オイペン) ※期限付き移籍
DF アントニー・ダルベルト(ベンフィカ/ポルトガル) ※期限付き移籍満了
近年力をつけてきた「ラ・ゼブラス」
ベルギー南部のエノー地方に本拠地を置く、スポルティング・シャルルロワ。北部が優勢なベルギーリーグに置いて、スタンダール・リエージュと共に、ワロン地方を代表するクラブとして、長年ベルギーリーグを盛り上げています。第二次世界大戦後、炭鉱、重工業が栄え、イタリアを中心に出稼ぎの外国人労働者が多い地域だけに、主に移民に支持されるクラブで、イタリア系のサッカー選手も多く輩出してきました。20世紀末には、クラブが財政難に陥っている中で、当時のベルギーを代表するゲームメーカー、エンツォ・シーフォがクラブの株式を購入して、会長職に就任した時期もありました。
2000年からは、イラン人のアッバス・バヤが会長職に就任し、残留争いが定位置だったシャルルロワを、上位を脅かす存在として力をつけてきました。会長がイラン人ということもあって、一時期は、イラン代表が5人も所属していたこともありました。2004-2005シーズンには、UEFA CUP(現EL)の予備予選に当たる、UEFAインタートトカップにも出場しています。
そのシャルルロワも2010-2011シーズンに2部降格。1年で復帰したが、アッバス・バヤ会長が退任し、ベルギーでスポーツビジネスを営む、ファビアン・ドゥベク氏が就任。バヤ前会長の息子のメフディ・バヤ氏がスポーツディレクターに就任しています。
体育教師上がりの苦労人、フェリス・マッズ監督
2013年からは、地元シャルルロワ出身で、イタリア移民二世のフェリス・マッズ監督が就任。シャルルロワの下部組織でプレーしていたが、トップチームに昇格できず、選手としてのキャリアは断念し、地元で体育教師の仕事を務めながら、少年たちにサッカーを教えていました。
アマチュアとしてサッカーの指導者を務める後に、シャルルロワ郊外のアマチュアクラブのマルシェンヌ=オ=ポント、スポルティング・ブレノワ、レオポルト・ユックルなどで監督を務め、2007年から当時2部のテュビズのコーチとして、プロチームの指導に当たり、2009年には1部に昇格。2009-2010シーズンの途中で、トップチームの監督に就任しました。
2010年からは、ブリュッセル郊外にある、3部のロイヤル・ホワイトスター・ウォルウェの監督に就任。2010-2011シーズンに、ベルギーカップベスト8に導き、リーグでは優勝。2012-2013シーズンでは、ホワイトスターを昇格プレーオフに導き、翌シーズンには、スポルティング・シャルルロワの監督に就任。
選手としてはトップチームに昇格できなかったマッズが、監督として地元のシャルルロワを率いることになりました。
途中までクルブとトップ争いを演じる
2016-2017シーズンは5位で終了。マッズ監督が就任以後、2度の優勝プレーオフ進出で徐々に力をつけてきたシャルルロワは、主力選手の放出こそあったが、イラン代表FWカーヴェ・レザイー、マダガスカル人MFイライマハリトラなど、即戦力を補強。
序盤戦は、フランス・リーグアンで、公式戦500試合出場を誇る、ベテランGKニコラ・ペヌトゥーを中心とする堅守が、レギュラーシーズン最小失点を記録。攻撃陣はレザイーとペルー代表MFクリスティアン・ベナベンテの活躍もあり、上位争いを演出しました。この2人に、DRコンゴ代表MFドディ・ルケバキオ(現デュッセルドルフ)が絡むカウンター攻撃は、リーグ屈指の切れ味で猛威をふるいました。
しかし、2018年冬の移籍でルケバキオが、イングランド・プレミアリーグのワトフォードへ移籍すると、シャルルロワの勢いに陰りを見せ、1月19日のムスクロン戦以後、3ヶ月勝利から遠ざかり、優勝戦線から引き離される要因になってしまいました。100年以上の歴史を誇りながら、リーグ、カップ共にタイトルは獲得していないシャルルロワにとっては、千載一遇のチャンスだったが、失速を止めることができませんでした。
堅守から鋭いカウンターを得意とするシャルルロワ
スポルティング・シャルルロワ https://t.co/sfC2hBClO7 pic.twitter.com/M6s9GbJ6MA
— footballtactics.net (@tacticsbooks) August 17, 2018
フェリス・マッズが率いるチームは、堅守速攻を武器に上位陣を常に苦しませます。スカウティングに入念に時間をかけて、チームに浸透させるために、フォーメーションを良く変更させたり、主力選手を敢えて外してみるなど、ベルギーリーグの中では一番の「曲者」といえる指導者でしょう。
昨シーズンから選手の入れ替わりが少なく、今シーズンも大きな入れ替わりがないシャルルロワ。第3節まではスターティングメンバーを大きく動かすことなく、昨シーズンは4-4-2、5-4-1、4-3-1-2など多彩なフォーメーションを採用してきたが、今季の3試合は4-2-3-1を固定として戦っています。
アウェーでのオイペン戦は4得点奪って勝利したものの、ホームでのアントワープ、アンデルレヒト相手には1点差で破れているシャルルロワ。昨シーズンの後半の失速を若干尾を引っ張っているようにも思えるが、今季も曲者っぷりを発揮できるのか見どころです。
注目選手
プレーオフ特集で紹介したレザイー、ベナベンテ、ヘンドリクスについては、こちらを見てください。今回はシャルルロワのチームの特徴となる、イラン人選手と、毎年のように、隣国から発掘してくるフランス人選手を取り上げます。
207-2018優勝プレーオフ特集 Vol.2 スポルティング・シャルルロワ https://t.co/3YMMhL7CWI pic.twitter.com/3tLxcpXKIo
— シェフケンゴ🇧🇪🇨🇩 (@shevkengo) March 29, 2018
FW アリ・ゴリザデ
イランのサイパから獲得した、22歳の若手ウイング。各年代別のイラン代表にも選出され、昨シーズンは所属するサイパで、28試合6得点を記録。今年3月のシエラレオネ戦でデビューし、2得点を記録しています。シャルルロワでも開幕からスタメンに名を連ね、オイペン戦では同胞のレザイーに鮮やかなクロスでアシストを記録。ベナベンテの個人技に依存しがちのチームにおいて、大きな変化をもたらしそうな若手です。
FW ジェレミー・ペルベ
モンス、シャルルロワで2度の得点王を経験している、フランス人アタッカー。2007年、2015年に続いて、3度目のシャルルロワ復帰。2013年から1年半、ビジャレアルに加入し、2012-2013シーズンは2部に降格していたチームを昇格させる立役者として大活躍。翌シーズンのリーガエスパニョーラでも二桁得点を奪い、2016-2017シーズンに所属したゲントでは、ヨーロッパリーグでトットナムを沈める貴重なゴールも奪っており、実力派折り紙付き。ボックス内での勝負強さを武器としており、フィニッシャーに専念させれば、爆発的な得点力を発揮する、生粋のストライカーです。
MF マルコ・イライマハリトラ
昨シーズンはソショーから加入し、開幕から主力として活躍した、23歳のマダガスカル人センターハーフ。育成の名門ソショー出身で、フランスの各年代別代表にも選出されていたが、昨年からマダガスカル代表でプレー。フィジカル、スピードに優れ、相棒のガエタン・ヘンドリクスと共に、激しく上下動するセンターハーフで、昨シーズンは強烈なミドルシュートも決めています。
モナゲ(tipmona)ってなに?
そもそもMonacoinってなに?
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません