第28節　アンデルレヒト – ムスクロン

2018-02-26

現在5試合勝利なしの3位アンデルレヒトは、先週に監督をミルチェア・レドニク監督から、フランク・ドゥファイ監督に交代させたばかりのムスクロンと対戦しました。

スターティングメンバー

アンデルレヒトはボランチのスヴェン・クムス、アドリアン・トレベルが怪我から復帰。前節はスタメンを外れていた森岡亮太が2列目に入り、出場停止明けのレアンデル・デンドンケルがセンターバックに復帰しました。

ムスクロンは監督交代後もシステムも起用する選手もほぼ変わりなし。鋭いカウンターが持ち味のチームで、中盤のメキシコ人MFゴベア・ガルシア、ルーマニア代表MFドリン・ロタリウのパスから、2トップのアウォニイとボリンギがゴールを狙うシンプルに縦を狙うサッカーを持ち味としています。

ハイライト

 

レビュー

負傷選手の復帰もあり、前節とは半数近くメンバーを入れ替えたアンデルレヒト。立ち上がりからボールポゼッションを高くし、ムスクロン守備陣を押し込みペースを握ります。ムスクロンは引いた守備から、ロタリウやゴベアにあずけてカウンターを狙うものの、怪我から戻ってきたトレベルを中心にカウンターの芽を潰して、チャンスを作らせません。4分に左サイドを突破したサイエフのクロスを、ムスクロンGKバイリーがパンチングをしそこなったところ、森岡亮太がダイレクトでシュートを放つが、枠を外します。

しかし、25分にクムスのロングフィードをテオドルチクが頭で落とし、このボールを拾ったゲルケンスが折り返すと、最後は森岡亮太が右足で押し込んで、アンデルレヒトが先制します。森岡は移籍後初ゴール。

ここ数試合、先制点をあげても不安定な試合運びだったアンデルレヒトだったが、この日は中盤の守備が引き締まり、ムスクロンの2トップ、ボリンギとアウォニイに仕事をさせません。逆に前半のアディショナルタイムに、ペナルティエリア内でDFガリツィオスのトラップミスを見逃さず奪った、森岡亮太をガリツィオスが引っ掛けてしまい、アンデルレヒトにPKが与えられると、これをテオドルチクが決めてアンデルレヒトが追加点。これでアンデルレヒトは第28節でようやくPKによるゴールが決まりました。

替えが効かないボランチのディミトリ・モハメドの負傷交代が響き、なかなか打開策を見いだせないムスクロンに対し、アンデルレヒトが久々に圧倒的な試合展開を演じます。57分に左サイドのサイエフがシーザスから縦を突破してクロスを放つと、これをテオドルチクが頭で押し込んで3点目。更に60分には、右サイドに流れたゲルケンスのクロスから、テオドルチクがワントラップからのシュートで4点目。テオドルチクはハットトリックを達成します。

試合は決まったかと思われたが、ムスクロンは怒涛の反撃を開始。70分にアンデルレヒトの左CBオブラドヴィッチからボールを奪った、ルーマニア代表MFドリン・ロタリウがドリブルで運び、最後はアウォニイが押し込んでムスクロンが1点を返すと、更に72分には途中出場のボヤのスルーパスから抜けたアマラーがペナルティエリアに侵入して折り返すと、代わったばかりのヴァン・ドゥルメンが押し込んで、2分で2点を返します。83分にはコーナーキックから、テディ・メサグが頭で押し込んで、これで1点差まで詰め寄ります。

イケイケムードのムスクロンは、ロタリウやアウォニイを中心に同点に追いつくべく猛攻撃を仕掛けます。しかし、後半アディショナルタイムに、最終ラインまで下がって守備をしていたサイエフのフィードをテオドルチクを頭で前線へ送ると、これをヘディングでクリアを試みたバイリーが痛恨のミス。こぼれたボールを森岡がボレーシュートを放つと、無人のゴールに流し込まれ、アンデルレヒトが逆に5点目をゲット。試合は森岡の移籍後初ゴールやテオドルチクの復活のハットトリックにより、アンデルレヒトが5-3で勝利しています。

主力選手が戻ってきたことにより、アンデルレヒトの充実っぷりが戻ってきた一方で、ゲームをコントロールしていたクムスから、マルコヴィッチを投入してからは、ボールポゼッションが落ちて、ムスクロンの猛攻撃を食らってしまった脆さも感じさせられる試合でした。3バックもオブラドヴィッチとスパイッチは戸惑いを隠せず、安定感に欠けるため、負傷離脱中のセネガル代表DFカラ・エムボジの復帰も待たれます。

対するムスクロンは、早々に失点を重ねてしまったが、縦に鋭い攻撃は健在で、ロタリウやゴベアのパスから、2トップの得点力にかけるパターンは十分に発揮されており、リーグ最低の資金力ながら、充実なシーズンを送っているようにも感じさせられる粘りっぷりでした。ベルギー代表の正GKだったローガン・バイリーのパフォーマンスが落ちており、守備陣は問題を抱えていますが、今季の残留は確定しているため、今後に向けた課題と言えるでしょう。

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