豊川雄太が移籍したオイペンについて

今週末からベルギーリーグが再開されるので、豊川雄太選手が移籍したオイペンについて触れたいと思います。

オイペンとは

KASオイペンは、ベルギー南東のリエージュ州にある、オイペン=マルメディ地方の人口18000人の町、オイペンにあるクラブです。ベルギーと言えば、南北でフラマン語(オランダ語)、ワロン語(フランス語)に二分される国として知られるが、ドイツとの国境に面しているオイペンは、ドイツ語を公用語としています。KASオイペンは、FCオイペン1920とジュネス・オイペンの合併により、1945年に設立されました。

長年、3部以下のアマチュアクラブとして活動していたが、2002年に2部に初昇格すると、2009-2010シーズンに昇格プレーオフを勝ち抜き、クラブ史上初の1部昇格を果たします。

アスパイア・ゾーン・ファウンデーションの買収

初昇格のシーズンは1年で降格してしまったオイペン。しかし、2012年にカタールの育成機関の「アスパイア・ゾーン・ファウンデーション」が買収します。アジア、アフリカ、南米などにあるアスパイア・アカデミーの卒業生の実戦の場として、オイペンを利用していくことを発表し、現在ではカタール国籍の選手が3人プレーしています。

※井手口陽介がレンタル移籍したクルトゥラル・レオネサもアスパイア所有

2015-2016シーズンにベルギー2部で2位になり、5シーズンぶりに1部に復帰します。昨シーズンは序盤から低迷し、残留争いに巻き込まれたが、アスパイア・アカデミー出身のFWヘンリー・オニェクル(現アンデルレヒト)がゴールを量産し、レギュラーシーズン13位で終了し、初の残留を果たします。オニェクルはELプレーオフでもゴールを量産し、得点王のテオドルチク(アンデルレヒト)と同数の22得点を挙げました。

主力の放出が厳しく序盤から低迷

今シーズンは、二桁得点を挙げたFWオニェクル(エヴァートン)、FWシラ(ゲント)、の放出。ズルテ・ワレヘムからベテランFWエムバイェ・レイェが8得点と気を吐くが、序盤から苦しい戦いが続くオイペン。11月にスペイン人のジョルジュ・コンドム監督が解任され、クロード・マケレレ監督が就任します。


序盤戦は4バックで戦っていたが、11月以後は5バックを基本として戦っています。ベルギーリーグでは名高いセネガル人FWエムバイェ・レイェと、エスパニョールなどでプレーしたスペイン人MFルイス・ガルシアが中心になります。

特にレイェは、2007年から10年以上、ベルギーでプレーしており、過去3回在籍したズルテ・ワレヘムでは、通算80ゴールを記録しているベルギーリーグ屈指のアタッカーです。自らがゴールを挙げるだけではなく、フィジカルが強くポストプレーの上手さが際立ち、周りを活かすこともできるため、ズルテ時代のチームメートだった、現ベルギー代表MFトルガン・アザールも、レイェとプレーしたことで、飛躍のきっかけを掴んだのではないかと思います。

ただ、現在のオイペンはレイェ以外の得点力に優れるアタッカーが乏しく、2列目で起用されるオカンセイ、ラザレはサイドが得意な選手だけに、2列目から飛び込んでいく動きが上手く行っていないように感じられます。豊川雄太が起用されるなら、2列目になるのではないかと思います。

昨シーズンの終盤のオイペンは、5バックでガチガチにゴール前を固めて、オニェクルとシラのスピードに頼っていたこともあり、今季も監督は代わったとは言え、残留戦線を戦うオイペンは、堅守速攻に徹したサッカーをするのではないかと思います。ただ、レイェやルイス・ガルシア、フランス・リーグアンでのプレー経験が豊富な攻撃的MFラスペンティーノ、GKのヴァン・クロムブルッヘなど、なかなか見ごたえのある選手がいるので、DAZNで放送した時、楽しみにしていただければ…と思います。

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