PO1 Anderlecht – Gent 両者決め手を欠きスコアレスドロー

初戦のクラブ・ブルッヘ戦を勝利でスタートしたゲントは、第2戦目は首位のアンデルレヒト戦。レギュラーシーズンでは1分1敗と分が悪く、アウェーのコンスタント・ヴァンデンストックでの一戦ということで、今回のプレーオフでは最も難しい一戦となった。

スターティングメンバー


ゲントは前節のスタメンとは大きく変更。前節同様にスタメンはFW久保裕也、サイモン、MFエシティ、DFアサレ、ジゴ、ミトロヴィッチ、GKカリニッチの7人。この日はFWペルベ、MFミリチェヴィッチ、DFフォケ、ゲルションがスタメン入りした。前節退場のナイジェリア代表DFトロースト=エコングは出場停止。

アンデルレヒトは現在リーグ得点王のポーランド代表FWウカシュ・テオドルチク、ベルギー代表MFユーリ・ティーレマンス、レアンデル・デンドンケルを始めに、国内屈指の選手層を誇る。木曜にはヨーロッパリーグ準々決勝のマンチェスター・ユナイテッド戦を控えるが、3シーズンぶりの優勝を目指すアンデルレヒトは、オランダ人DFナイティンクは欠場するものの、主力メンバーを揃えた。

しかし、お互いのチームに91番がいるなど、背番号がやたら大きい。

パスを繋いでワイドに展開するゲントと縦に速いアンデルレヒト

試合前にアンデルレヒト、PSVなどで活躍した元ベルギー代表FWジル・デ・ビルデのキックオフイベントが開催。アンデルレヒトでは1995~1997年、2001~2003年に在籍し、公式戦100試合位上出場したアンデルレヒトのスター選手で、現在は解説者を務めている。

前節のクルブ戦では、4バックを採用し、主にCFのクリバリーへのロングボールと、両サイドのアタッカーのスピードを活かしたカウンター重視の戦術を用いたが、この日は従来の3-4-2-1を採用し、両サイドをめいいっぱいに使い、ボールを大切に繋ぎながら、クロスやスルーパスを狙ったゲント。

スイス人のレネ・ヴァイラー監督が率いるアンデルレヒトは高い位置からのプレッシングと縦に速いサッカーを趣向し、ボックス内で強さを発揮するテオドルチク、サイドや2列目からゴールを狙うアンニとティーレマンスなどの得点力を前面に出したサッカーを展開。チームの特徴は、シンプルに縦へ狙い、ゴールまで手数を掛けない、攻守においてスピーディーな点である。

お互いの持ち味は出るが慎重な試合展開に

前節はフランデレンの覇権を争う、伝統のダービーマッチであっただけに、序盤から試合が荒れ、お互いが激しくぶつかりあう展開になったが。この試合では球際で激しさはあるものの、やや落ち着いた試合になった。

ホームのアンデルレヒトは、高い位置からプレスを掛け。ボールを奪ったら、素早くサイド(主に右)から、テオドルチクとアンニを中心に仕掛け、ゲントはプレスを掻い潜りながら、左サイドに開いたFWサイモンの突破を中心に試合を展開。試合内容はどちらもサイドから崩しにかかるものの、お互いシュート本数が少なく、膠着した状態が続いた。

40分近くになり、ゲントの繋ぎにミスが目立ち始めると、この5分間はアンデルレヒトのペースに。41分にゲルションからボールを奪った、ティーレマンスがゴールに迫るがクロスは枠を捉えきれず。更に前半終了間際にはスタンチュのロングパスから、エースのテオドルチクが裏に抜けるが、ゲントGKカリニッチの飛び出しに阻まれシュート打てず。前半終了間際はアンデルレヒトのペースだったが、スコアレスで折り返した。

後半にオープンな展開になるが最後までゴールを決められず

前半終了間際はアンデルレヒトにペースを握られていたゲント。ヴァンハーゼブルック監督は、久保が左、サイモンが右へと、ポジションを左右に入れ替える。

後半開始直後、自陣でエシティがボールを奪うと、ミリチェヴィッチ、ペルベと繋ぎ、右サイドのサイモンへ展開。サイモンが右サイドからクロスを放つと、最後は久保がゴール前へ飛び出すものの、スライディングシュートは枠を捉えきれず、決定機を逃した。アンデルレヒトもキプチュが右サイドからワンツーで抜け出してクロス。そのこぼれ球にティーレマンスが詰めるが、強く放ったシュートはバーを直撃し、アンデルレヒトも決定機を逸した。

後半の立ち上がり15~20分近くは、ゲントがペースを握り、本来のポジションでないミリチェヴィッチもチャンスを演出。久保もフリーキックのこぼれ球をミドル、ミリチェヴィッチから縦パスを足先でトラップ後にシュートを狙うが、それぞれ枠を捉えきれず。

72分のアンデルレヒト。エースストライカーのウカシュ・テオドルチクが足を傷めてベンチに下がり、スウェーデン代表FWイサーク・テリンと交代。現在リーグ得点王のテオドルチクは、ゲントDFミトロヴィッチの執拗なマークにより、持ち味を発揮できず、後に木曜に行われるELのマンチェスター・ユナイテッド戦は欠場になった。

ゲントも73分にペルベを下げ、マリ代表FWカリファ・クリバリー、78分にサイモンを下げ、FWサミュエル・カルを投入。クリバリーの高さを活かすべく、ロングボールも駆使して、ゴールに迫る。

お互いに疲れが出てくると、オープンな試合展開を得意とするアンデルレヒトもチャンスを演出。81分にはティーレマンスのスルーパスから裏に抜けた、アルジェリア代表MFソフィアン・アンニが右へ途中交代のMFマッシモ・ブルーノへラストパス。これはゲントのDFラミ・ゲルションが間一髪でクリア。アディショナルタイムには再び左からキプチュが抜けて、最後は途中交代のテリンが狙うが、シュートはゲント守備陣に阻まれ、最後までゴールを奪えず。アンデルレヒト-ゲントはスコアレスドローで終了。

個々の能力の高さを活かした縦に速いサッカーを持ち味とするアンデルレヒトと、縦横とピッチを広く使ながら空いたスペースを狙っていくゲントと、お互いに持ち味を発揮した試合だったが、双方とも詰めの甘さが出てしまった試合になった。

その他の試合はクラブ・ブルッヘ-シャルルロワは1-1の引き分け。オーステンデ-ズルテ・ワレヘムも1-1の引き分け。全チーム順位が変わらず。

PO1の第3節は、アンデルレヒトはアウェーのヴェルスライス・アレナでオーステンデ戦(16日18:00[日本時間25:00])。ゲントはアウェーのペイ・ドゥ・シャルルロワでシャルルロワ戦(17日18:00[日本時間25:00])。

Monacoinを投げる
モナゲ(tipmona)ってなに?
そもそもMonacoinってなに?