第25節　セルクル・ブルッヘ – クルブ・ブルッヘ / 植田直通、右WBで出場

2019-02-112019-02-14

JPL第25節、日曜日に行われたブルッヘダービーのマッチレビューです。

フォーメーション

フォーメーション

まずは、アウェーのクルブ。基本的にはメンバーとフォーメーションは大きく変わらないものの、左サイドが1番手のオランダ代表MFダンジュマが怪我、2番手でナイジェリア代表MFデニスが出場停止のため、3番手のディアッタが出場した。

セルクルは前節のメンバーから、主力のセンターハーフのルサンバが復帰。前節1ゴールのFWカルドナがスタメン。前節に退場したロイド・パランがプレーしていた右WBには、植田直通が起用された。日本ではほぼセンターバックで、代表では東アジア選手権で右SBでプレーした程度。セルクルでも試合展開によっては右SBで起用されることはあったが、まさかのウイングバックでのプレーになった。

Contents

1 実力通りクルブが優勢に進める前半
2 アザール投入でセルクルが復調
3 右WBでの植田直通

実力通りクルブが優勢に進める前半

両チームとも普段どおりのシステム。ボールポゼッションを高めながら、2列目の4枚に供給しながら、サイドからの突破とスルーパス、前線への飛び出しを狙っていくクルブに対して、守備時に5バックで固めて、鋭いロングカウンターでゴールを狙っていくセルクルという展開となった。

11分、左サイドタッチライン際でボールを受けた、クルブのディアッタが、縦への突破で対面の植田直通を引き離しクロス。これを中央にいたヴェズレイが踵で流し込んでクルブが先制。序盤から攻勢に出るクルブが試合を優勢に進め、セルクルは厳しい展開に。

しかし、年明けから調子が上がらないクルブ。攻撃の精度が欠き、なかなか追加点まで奪えず。27分にハーフウェーライン際でボールを奪い、右サイドからカルドナがアーリークロス。これをクルブのCBアムラバトのオウンゴールを誘い、セルクルが同点に追いついた。

それでも試合を有利に進めるクルブは、41分にバックラインからの縦パスをウェズレイが左へ叩くと、ヴァナケンが対面の植田を躱して中央へ。スルーパスを通すと、フォルメルが抜け出し、相手GKナルディをひきつけてから横パス。フリーのスフライヴェルスが無人のゴールへ押し込んで、クルブが追加点。クルブが2-1で折り返した。

アザール投入でセルクルが復調

後半に入り、クルブがペースを握るものの、60分に植田直通に代わり、本来は2列目で起用されるキリアン・アザールを投入。劣勢に立たされていたセルクルだったが、右で起点を作れるようになり、徐々に攻撃の糸口をつかめるようになった。

64分、自陣でボールを奪ったセルクルが、キャプテンのメルシエがドリブルへ運び、バイタルエリアで左に開いていたブルーノへパス。ブルーノがゴール前へスルーパスを出すと、カルドナが裏に抜け出し、相手GKホーヴァースを躱してゴールに流し込んで、セルクルが再び同点。

同点に追いつきたいクルブは、マタに代えてコールス、ウェズレイに代えてオペンダを投入して勝ち越しを狙うものの、78分にデンスウィルのFKをセルクルGKナルディがセーブ。82分にもゴール前へ抜け出したフォルメルのシュートを再びナルディが防ぎ、終盤に劣勢に立たされていたセルクルがなんとか粘り、ブルッヘダービーは2-2で終了した。

右WBでの植田直通

最後に右WBで起用された植田直通について。セルクルでは試合展開によって、右SBで起用される試合は数試合あったものの、チームでの主な起用法はほとんどがセンターバック。日本でもほとんどプレーしていなかったポジションだったが、レギュラーの右SBパランの出場停止によって、緊急的に起用されることになった。

やはりプレーは不安定な印象が強く、植田の背面のスペースをカバーするはずのDFマレガとの連携がスムーズに行かないところを、序盤のうちからクルブに見抜かれていたのが、非常に厳しい局面に陥ったと言える。アウトサイドをディアッタが張って、正面には2018年のゴールデンシューでベルギー代表MFハンス・ヴァナケンがおり、植田1人で2人を見なければならないほど、偏ったポジショニングに苦心していた。1失点目は大外からディアッタの突破、2失点目は植田の前のスペースをヴァナケンに使われ、結果的に2失点に絡んでおり、必ずしも植田だけの責任でないにしろ、ほろ苦いパフォーマンスとなってしまった。

後半は通らなかったものの、ウイングバックらしく、相手の3バックの外を突きにくるような裏抜けにチャレンジしたり、大外で張ってパスを受けようとしたりと、ウイングバックらしい動きにトライしているように感じられたが、60分で途中交代。戦略上、後半途中からギアを入れていく狙いだったと言え、個人的にはもう少し見てみたいかなと思った。

厳しい結果になったとはいえ、今後に活かされていくと良いなあ…と思いながら見ていました。今度はオモロが出場停止のため、CBでの起用が有力視されます。