第30節 シント・トロイデン – ゲント / PO1進出はゲント
ベルギー1部、ジュピラー・プロ・リーグの試合結果。PO1進出の最後の座を争う直接対決「STVV(シント・トロイデン)-ゲント」の試合からです。
スターティングメンバー
STVVは前節に左CBのポル・ガルシアが負傷のため欠場。冨安が左に入り、右CBにサンコン、守備的MFにサミー・ムマエを起用された。ゲントは前節と同じメンバー。
立ち上がりから猛攻を仕掛けるゲント
3連勝中で、ここ2試合は前半3分で早々にゴールを奪っているゲント。引き分け以上でPO1進出だが、序盤から圧力をかけて、STVVを完全に自陣に押し込んだ。開始7分に相手のパスミスを拾ったヤレムチュクがゴールに向かって突進したところ、ペナルティエリア内でテイシェイラに倒されるがノーホイッスル。10分には左サイドからパスを受けたヤレムチュクが振り向きざまにシュートを放つが枠の外。ゲントが積極的に先制点を奪いに行った。
17分、STVVのアコラツェが自陣左サイドのコーナー付近に追い込まれ、真ん中の選手にパスを出すものの、これがミスになり、ヤレムチュクの足下に入り、プレゼントボールをそのまんまゴールに押し込んで、ゲントが先制した。PO1に向けて勝つしかないSTVVにとっては、痛恨の先制点を喫した。
続けざまに追加点を奪いに行くゲントは、24分に左サイドのMFドンペのカットインからのシュート。27分にはワンツーから左のハーフスペースに飛び込んだアサレのクロスからセルロートがシュート。34分にもFWデイヴィッドがシュートを放ち、ゲントが試合内容で圧倒した。
攻め込まれたSTVVだが、35分に鎌田のパスを受けたデ・サールがミドルシュート。37分にはセットプレーのこぼれ球を拾い、サイドから展開し、残っていたテイシェイラがミドルシュートを放つが、これはGKカミンスキーが立ちふさがった。前半は0-1でゲントがリード。
カウンターからリードを広げる
ハイプレスをかけて、先制点を奪いにいった前半と異なり、前がかりになりバランスを崩さないようにゲームに入ったゲント。対するPO1進出するには2点必要なSTVVは最終ラインからパスを回して、得点源のボリと鎌田にボールを入れ、得点機を伺った。
60分、STVVの最終ラインからの縦パスをゲントMFビルゲル・ヴェルストラーテがインターセプト。ゴール前まで駆け上がり右サイドのセルロートへ。セルロートが中へ折り返すと、最後はヤレムチュクが押し込んで、ゲントが2点目。前がかりになったSTVVを狡猾に攻めたゲントが追加点を挙げた。
3点が必要になったSTVV。64分に良いところがなかった左サイドのアコラツェに代わりMF関根貴大、67分に守備的MFのムマエから、190cmの長身FW木下康介を投入。
慌てる必要がないゲントは、自陣に下がって、STVVの攻撃を冷静に対応。STVVは左サイドの関根貴大が縦への突破、カットインからチャンスを伺い、木下康介はカウンターからミドルシュートを狙うが、効果的な攻撃はできず。ペナルティエリア内への侵入を許さず、リスクを最小限に抑えたゲントが、STVVの攻撃を上手く受け流し無失点。試合は0-2でゲントが完勝した。
下り坂のSTVVと絶好調のゲント
3バックの一角で、優れたキック精度とプレービジョンで攻撃の起点にもなる貢献が大きい、スペイン人DFポル・ガルシアの不在は大きかったSTVV。序盤のハイプレスで後手に周り、アコラツェ、ボタカの両ウイングバックは押し込まれ、2トップはボックス内に侵入できず、最後の最後で実力差を見せつけられる格好になった。
逆に序盤戦のつまづきから、監督交代を決断するも、なかなかチームが思うような結果がレギュラーシーズン終盤まで残せなかったが、この試合を含め、最後の4試合で4連勝と一気にチームを仕上げてきたゲント。チームとしての地力と勢いの違いが明らかとなった試合になった。二桁得点はいないが、気づけばリーグ3位の得点数をうばってベルギーカップ決勝とPO1での逆転を狙うゲントは、PO1の命運の鍵を握るチームになるだろう。
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