2018W杯決勝トーナメント1回戦「ベルギー-日本」 / ベルギーを応援する側から見た「日本-ベルギー」戦

2018-07-06

グループリーグを3戦全勝で勝ち上がったベルギーは、グループHを2位の日本と対戦することになりました。当方ベルギーサッカーを扱うブログとしては、自国を相手にするという、奇妙な感覚でしたが、TwitterのTL通りにベルギーを応援する側として振る舞っていました。ベルギーサッカー好きの立場として、この試合のレビューを書いてみたいと思います。

あんまり戦術に明るい人間じゃないので、あまり期待しないでください(笑)

スターティングメンバー

日本は第1,第2戦とメンバーの変更はなし。ベルギーはCBの中央のコンパニが入った以外は、第2戦と変更なし。ベルギーは大会前後でカラスコの調子が上がらないため、個人的には外してくる可能性もあるかと思いましたが、スタメンに名前を連ねました。

ハイライト

 

グループリーグでの勢いが通用しない前半

今大会のベルギーですが、グループリーグで3連勝しているが、立ち上がりは若干受け身に回ってしまい、決していい立ち上がりではありませんでした。逆に日本は、コロンビア戦で早々に先制、セネガル戦もまずまずと、立ち上がりに優勢に立っており、ベルギーサイドから見ていると、コンパニが初先発ということもあって、出鼻を挫いていく可能性もあるかと思っていました。

実際に左サイドのアザールやカラスコの突破力を活かして、彼らが仕掛けることで、試合を優勢に進めようと狙うものの、ビルドアップは上手く行かず、アザールがボールを受けても、2センターハーフと酒井宏樹のディフェンスにより、効果は発揮せず。パナマ、チュニジアが相手だと、ファールでフリーキックを得るところを、大会随一のファールの少なさを誇る日本には通じませんでした。ベルギーサイドから見ていると、カラスコやムニエは敢えて持たされている感はありました。

15分過ぎからは、ボックス内のルカクが、浮き玉を呼び込んで、日本を押し込もうとするものの、昌子、吉田らの守備陣が身体を入れて、満足な体勢でシュートを放つことができず。後もう一歩のシーンが多くて、ベルギーの先制点も時間の問題かと思いましたが、日本の守備陣は集中力が高くて、ルカクが満足な体勢でシュートを放てませんでした。日本ボールになったときに、1トップの大迫にロングボールを蹴るが、病み上がりのコンパニには、大迫のポストプレーは封じることができず、ポゼッションで劣る日本も防戦一方の展開にはなりませんでした。絶好調の大迫のキープからのカウンターが脅威のため、2列目や柴崎などとの分断に苦労していました。

日本もボールが収まれば、上がり目のベルギーの両ウイングバックの裏のスペースを起点に、ゴールに迫ります。31分には長友のクロスに、乾が合わせますが、ベルギー正GKクルトワに阻まれて失点はならず。その後もムニエをかわした香川のクロスからチャンスを得るなど、ベルギーからすると、右ウイングバックのムニエの裏側を狙われる時間帯が続きました。

前半は全体的にはベルギーが優勢にゲームを進めるものの、日本も随所でウイングバックの裏をついてチャンスを作るなど、ほぼ互角な展開でスコアレスで折り返します。

明確な弱点を突かれて早々に2失点

後半の立ち上がりはベルギーが立ち上がりに両ウイングバックが前線に上がり、先制点を狙いに行くが、ボールのつながりが悪く、日本のディフェンスをこじ開けることができません。48分、メルテンスとのワンツーからムニエが飛び出そうとするが、ワンツーを乾のインターセプトに阻まれ、日本が一気にカウンター。センターサークル付近でフリーになった柴崎が、ヴェルトンゲンの裏のスペースにスルーパスを入れると、原口元気が一気に抜け出し、クルトワとの1対1を制して、日本が先制点。

失点直後にベルギーが右サイドのムニエのスルーパスからメルテンスが抜け出し、最後はアザールがミドルシュートを放つが、不運にもポストを直撃。逆に52分に、左サイドから仕掛けた乾のクロスをコンパニが跳ね返すが、ボールはバイタルエリアの香川真司へ。ボールを拾った香川がヴィツェルを引き付けてから、中央に侵入してきた乾へ。乾が30m付近から強烈な無回転シュートを放つと、ボールは左のサイドネットに吸い込まれ、日本が2点リードします。

センターハーフのヴィツェルとデ・ブライネが頻繁に中央を開けたところを、柴崎が侵入し、手数をかけずにシンプルに両ウイングバックの裏を狙い続け、後半立ち上がり早々に先制点。直近の国際親善試合でも、エジプトやコスタリカ相手に狙われていたが、絶好調の柴崎を捉えきれないと、一気にやられてしまう…そんな後半の立ち上がりでした。

シャドリ、フェライニ投入で4バックに変更

2点ビハインドのベルギーは、左サイドのアザール、右サイドのムニエを中心にチャンスを作るものの、日本の集中力の高い守備に対応され、シュートは枠を捉えることができません。地力の差で圧力をかけていくものの、水際で競って対応する日本の守備陣を崩し切ることができず、逆にウイングバックの裏を狙われ、あわや3点目を奪われかねない展開になり、正直負けパターンかと思いました。

65分にベルギーは、チャンスに絡めなかったメルテンスと、再三に渡って裏を狙われていたカラスコを下げて、プレミアリーグ屈指のエアバトラーのフェライニ、高さも足下も優れる左サイドのシャドリを投入。システムを3-4-2-1から、4-1-4-1に変更します。

失点直後から右サイドからチャンスを演出していたベルギーだが、フィジカルが強いフェライニと、アザールを右サイドへポジションを移すことで、更に右サイドから圧力をかけ、主導権を握ります。

交代の効果はすぐに発揮され、69分にコーナーキックからの二次攻撃から、左サイドに残っていたヴェルトンゲンが、川島のポジションを見て、ヘディングで頭上を抜けるシュートを放ち、ベルギーが1点差。川島のポジショニング自体は悪いとは思いませんが、センターバックの割に攻撃センスが光るヴェルトンゲンの好判断が実りました。

更に74分、再びコーナーキックのこぼれ球を拾ったベルギーは、左のアザールが大迫を振り切りクロス。最後はフリーになったフェライニが得意のヘッドを叩きつけて、ついに同点に追いつきます。アザールの動きに囚われて、ボールウォッチャーになっていた長谷部の背後を狙い、ミスマッチを狙ったフェライニの巧みなポジショニングが功を奏しました。

フェライニは、2007年にベルギー代表にデビューしてから、長年に渡り、高さのキーマンとして起用されてきたが、高さに不安がある昌子と長谷部の間にフェライニを置くことで、流れを完全に引き寄せました。ポジショニングの悪さやファールの多さから、賛否が分かれるフェライニだが、フィジカルで優位に立てる相手には、恐ろしいまでに効果が発揮するのは、何年経っても変わらないと感じるものです。

最後の最後に炸裂した伝家の宝刀ロングカウンター

同点に追いついた後は、左サイドを張る、途中出場のシャドリにもボールを集め、過去3試合フル出場を続ける、日本の右SB酒井宏樹に仕掛け続けます。カラスコやアザールとのマッチアップを続けていた酒井宏樹ですが、残り20分ではスタミナがつきかけているように思えました。

81分に日本は、前半にカードを貰っていた柴崎、足が攣っていた原口を下げて、本田圭佑と山口蛍を投入。それでもベルギーの勢いは止められず、決定機を作り続け、84分にムニエのクロスから、シャドリのヘッド、そのこぼれ球をルカクが狙うものの、川島のビッグセーブでゴールはならず。85分には、左サイドから駆け上がってきたヴェルトンゲンが得意のミドルを狙うが、これも川島に阻まれます。

動きが重くなっていた日本は、本田にボールを集めて、勝ち越しを狙います。アディショナルタイムにはフリーキックを本田が狙うがクルトワがセーブ。8年前を彷彿させるコースでしたが、クルトワが難なく弾きます。

すると94分、日本のコーナーキックのチャンス。本田が蹴ったボールをクルトワがキャッチ。すでにダッシュを始めていたデ・ブライネにボールを送りカウンター。デ・ブライネが日本の3選手を引き付けて、フリーになった右サイドのムニエへ。ムニエがダイレクトでクロスを入れると、ルカクがスルーし、最後はフリーになっていたシャドリが押し込んで、ベルギーが終了間際に鮮やかなカウンターで逆転。これが決勝ゴールとなり、ベルギーが大逆転で日本を破りました。

ベルギーが最も得意とするカウンターアタックだが、この試合では日本のソリッドな守備により、全く仕掛けられるシーンはありませんでした。しかし、後半のアディショナルタイムに、本田の安易なコーナーキックをキャッチしたクルトワから始まったカウンター攻撃には、日本の選手は全くボールを触ることさえできませんでした。日本では山口蛍の対応の是非を問う声が多いが、普段からプレミアリーグでカウンターを完遂させているデ・ブライネにボールが渡った後では、何をやっても難しかったかなと感じます。

自国を相手にベルギーを応援してて思ったこと

試合は3-2で勝利。実はこの試合は家族で見ていて、私以外は日本を応援していたので、喜びもやや控え目に見ているつもりでしたが、最後のカウンター攻撃には大喜びしてしまいました・・・(苦笑)

低迷期から長年見ていて、若い頃から知っている選手が多いだけに、私にとっては日本よりも愛着を感じるのが正直なところです。「自国の代表は応援して当たり前」など言われたりもしますが、ベルギーを見ていなければ、今頃サッカーすら見ていたかも分からない上に、「対戦国を応援したくらいで『非国民』など言われるなんて、なんてケツの穴が小さいんだ・・・。」というのも本音だったりします。

更に今回は日本代表に対しても、ハリルホジッチ監督の解任、久保裕也と森岡亮太の選外について、引っかかる部分も多く、グループリーグの3試合を見ても、なかなか気分が乗らなかったので、今大会は避けられたらな・・・なんて思ったりもしました。過去の試合からして、日本戦はベルギーにとっては、ただですら難しい相手だけに、大会2ヶ月前からのゴタゴタがなければ、もっと楽しめたかと、今も思えます。西野朗監督の手腕を悪く言うつもりはなく、むしろベスト16まで導いたと思いますが、前回大会でベルギーはアルジェリアに苦戦しているだけに、ハリルホジッチ前監督が率いる日本こそ対戦したかった気も否定はできません。

実際に試合を終えると、最初から最後まで痺れるような試合で、個人的には楽しめました。日本も準備がしっかりできて、控えメンバーも充実していれば(要は久保を呼びなさいよ)をこなしていれば、フェライニとシャドリ投入後にも対応できて、試合結果は違ったのかもしれません。

またいつの日かW杯でお会いしましょう。

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