FC岐阜へ移籍のフレデリック・ビュロについて
J2のFC岐阜は、来季の新鮮力として、ガボン代表MFフレデリック・ビュロ(登録名フレデリック)の獲得を発表したので、スタンダール・リエージュ所属時のビュロを振り替えってみます。
【新加入選手のお知らせ】
#フレデリック 選手が完全移籍で加入することとなりましたので、お知らせいたします。
⏬選手コメント⏬https://t.co/Eq7s66cyMy@FredericBulot #fcgifu #FC岐阜 #新時代を拓く pic.twitter.com/t7PnymVf4f— FC岐阜 (@fcgifuDREAM) 2018年12月7日
Quelque chose s’annonce !!
Je suis très heureux de vous annoncer mon nouveau challenge au Japon 🇯🇵 #nevergiveup #loveit pic.twitter.com/u9h429uiCe
— Frédéric Bulot Wagah (@FredericBulot) 2018年12月7日
プロフィール
フレデリック・ビュロ Frederic Bulot
生年月日 1990年9月27日(28歳)
国籍 ガボン
身長 179cm
利き足 左
ポジション サイドハーフ、センターハーフ
クラブ遍歴
2010-2011 モナコ(フランス)
2011-2012 カーン(フランス)
2012-2014 スタンダール・リエージュ(ベルギー)
2014-2015 チャールトン・アスレティック(イングランド)
2015-2017 スタッド・ランス(フランス)
2018 トゥール(フランス)
プレー動画
スタンダールでは70試合以上に出場
モナコの下部組織出身で、フランス、ベルギー、イングランドのクラブを渡り歩いたビュロ。フランスの各年代代表に選ばれたが、代表ではエースのオーバメヤンの誘いにより、ガボン代表を選択した。2018年にナシオナルアン(フランス3部)に降格したトゥールを退団し、現在は無所属だったが、FC岐阜に加入し、来季から日本でプレーすることになった。
ビュロを説明すると、ヌクルやモンゴングらと共に当時のモナコの下部組織では期待されていた選手で、モナコがリーグドゥに降格したシーズンに台頭。当時モナコにレンタルされていたオーバメヤンの口利きでガボン代表に転籍。台頭したシーズンが契約最終年だった事で降格と同時に契約満了で退団…
— AS MONACO NOTE (@ASMonaco_jp) December 7, 2018
モナコやカーンでも何度か試合を見たことあるが、当時のビュロは左サイドを主戦場とし、スピードを活かした縦の突破から、良質なクロスを蹴る典型的なサイドアタッカーだった。当時のモナコもカーンも、低迷期でビュロのパフォーマンスが、結果に結びつかなかった印象は強かった。結果、モナコ、カーンの両チームでリーグドゥ降格を経験している。
2012-2013 スタンダール・リエージュ https://t.co/5vfvfBQTHL pic.twitter.com/JQB1RDlnIM
— footballtactics.net (@tacticsbooks) December 8, 2018
2012年夏にビュロはスタンダール・リエージュへ移籍。シーズン当初は、新監督に就任したロン・ヤンス監督が掲げるポゼッション重視のサッカーがハマらず、スタートダッシュに失敗。ビュロもチーム状況に引っ張られる形で、信頼は獲得できていなかったが、第10節の最大のライバルのアンデルレヒト戦での2得点をきっかけに、レギュラーに定着。
ロン・ヤンス監督は10月で解任され、ルーマニア人のミルチェア・レドニク氏が就任し、4-4-2を軸にソリッドな守備から鋭いロングカウンターをベースとしたスタイルに変更するが、ビュロは右サイドハーフに定着。2トップのバチュアイ、エゼキエルのコンビをお膳立てするチャンスメーカーとして機能していた。スピードとキックを武器にするだけに、自陣で深めに守備ブロックを形成するレドニクのサッカーにとっては、長い距離を素早く運べるビュロは、戦術的に大きな役割を果たしていた。
ロングカウンターの切れ味から、ゴールを量産していた、レドニク率いるスタンダール・リエージュだったが、引いた相手には苦戦することが多く、スピードを武器とするビュロは、展開によって活かされないこともあり、左足のミドルシュート以外ではなかなか存在感を示すことができなかった。レギュラーシーズンよりも固めの試合が多くなりがちなプレーオフでは、ビュロが上手くハマらない試合もあった。
4位で終わったスタンダール・リエージュは、レドニク監督を解任し、イスラエル人のルイ・ルゾン氏が就任。次のシーズンでは、チームの戦術自体は大幅な変化はなかったが、ワトフォードから復帰した元ベルギー代表MFジョフロイ・ムジャンギ・ビア、アンジ・マハチカラから復帰したMFメフディ・カルセラらが加入したため、ビュロの出場機会は激減。主に途中出場での起用法が多く、選手層が手薄なセンターハーフでのプレーが増えていたが、出場時間内でゴール、アシストも決めており、ルゾン体制でも大事なサブメンバーとして、大きな役割を果たしていた。
大きな特徴はスピードと左足のキック。ただ、フランスやベルギーでは、相手を背負ったプレーでは上手くいっていないため、スペースが少ない展開では、他の選手よりも落ち度を感じられた。個人的にはアンデルレヒト戦の2得点が印象に残っている。
近年は怪我に悩まされた
スタンダールでの3年目に差し掛かったが、移籍期限ギリギリに、当時イングランドチャンピオンシップ(実質2部)のチャールトン・アスレティックへ加入。この当時のチャールトンは、スタンダールのオーナーである、ローラン・デュシャトレ氏が買収しており、途中出場が多く、出場時間が限られていたビュロは、1年間のローン移籍で加入し、28試合5得点を記録。シーズン終了後に保有元のスタンダールを退団し、スタッド・ランスへ加入した。
移籍してから主力として活躍していたが、2016年1月に膝の怪我により戦線離脱。2016-2017シーズンは1試合も出場することなく、シーズン終了後に契約満了で退団。半年間の無所属期間を経て、2018年1月にフランスリーグドゥで最下位で苦しむトゥールへ移籍し、11試合出場するも、チームは残留できず、ナシオナル(フランス3部)へ降格が決定。ビュロは契約満了で退団し、FC岐阜と契約するまで再び無所属になった。
日本では起用法が変わる可能性も
近年のビュロのプレーを全く見ていないので、今の彼がどれほどの選手か分からないのが正直なところだが、気になるのは、スタッド・ランス時代に負った膝の怪我の影響。スタンダールでレギュラーで活躍した頃の往年のパフォーマンスなら、J2で旋風を起こすほどの潜在性はあると思われる。
スタンダールでは、4-4-2の右サイドハーフが主戦場で、スピードとキックの質で勝負する選手だったが、ロングカウンターを強みとしている当時のスタンダールと、今の岐阜では戦術や選手の構成が異なるだけに、サイドハーフ以外でのポジションで起用されることも十分に有り得る。
日本では「古典派トップ下」と評価された森岡亮太や鎌田大地が、ベルギーではチーム戦術や他の主力選手の能力により、元々の役割ではなく、セカンドトップを主戦場に、相手のディフェンスラインに仕掛けていく役割に変わった。それが得点数が伸びる要因になっているように、各クラブによって、選手の評価は大きく変わっていくもの。大宮や浦和で活躍したズラタン・リュビヤンキッチは、ベルギーではサイドアタッカーだったが、日本では中央でプレーすることが多くなったが、フレデリック・ビュロもベルギーやフランス時代とは、求められるプレーが大きく変わる可能性はあるだろう。
フレデリックが岐阜に何をもたらすか、逆に岐阜でフレデリックがどんなプレーをするのか、来季は注目していきたいと思う。Allez Frederic!
モナゲ(tipmona)ってなに?
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