2019-2020ベルギーリーグプレビュー Vol.2 KVメヘレン

2019-09-14

2019-2020シーズンのベルギーリーグのチーム紹介。今回はまさかの2部降格もベルギーカップ優勝を引っさげて、より強力に戻ってきたKVメヘレンを取り上げる。

現所属メンバー

GK

1 ブラム・カストロ ベルギー 1982.9.30(36歳)
12 ソフィアン・ブジアン ベルギー 2000.7.13(19歳)
15 ヤニック・トゥーレン ベルギー 1990.7.18(29歳)
28 アルネ・ファルケナールス ベルギー 2000.11.3(18歳)

DF

2 ユレス・ファン・クレームプット ベルギー 1997.4.11(22歳)
3 ルーカス・バイケル オランダ 1993.3.4(26歳)
4 シェルドン・バトー トリニダード・トバゴ 1991.1.29(28歳)
5 アルヤン・スウィンケルス オランダ 1984.10.15(34歳)
14 マクシム・デ・ビー ベルギー 2000.12.13(18歳)
19 アレク・ファン・ホーレンベーク ベルギー 1998.12.30(20歳)
23 ティボー・ペイレ フランス 1992.10.3(26歳)
37 ローラン・ルモワーヌ ベルギー 1998.4.24(21歳)

MF

7 ジョフロイ・ヘーレマンス ベルギー 1991.10.21(27歳)
8 オヌル・カヤ ベルギー 1986.4.20(33歳)
13 ヨアキム・ファン・ダメ ベルギー 1991.7.23(28歳)
16 ロブ・スホーフス ベルギー 1994.3.23(25歳)
17 トロヴァ・ボニ ブルキナファソ 1999.12.21(19歳)
18 ラース・コヴェリールス ベルギー 2000.10.20(18歳)
22 アレクサンデル・コリン ベルギー 1994.1.3(25歳)
30 ヨルディ・ファンレルベルゲ ベルギー 1996.1.27(23歳)
33 ガエタン・ボシエ ベルギー 1999.4.25(20歳)
37 モハメド・ゼルアル ベルギー 1999.2.27(20歳)
38 アルノ・ファン・キーレホム ベルギー 1999.5.27(20歳)
40 アステル・フランクス ベルギー 2002.10.4(16歳)

FW

9 ウィリアム・トギ コートジボワール 1996.8.7(23歳)
10 イゴール・デ・カマルゴ ベルギー 1983.5.12(36歳)
11 ニコラ・ストルム ベルギー 1994.9.30(24歳)
20 グスタフ・エングヴァリ スウェーデン 1996.4.29(23歳)
21 クレマン・タンモン フランス 1986.2.12(33歳)
31 ダンテ・ヴァンザール ベルギー 1998.4.16(21歳)

監督

ヴォウテル・フランケン 1979.2.3(40歳)

移籍

in

完全移籍

MF ジョフロイ・ヘーレマンス(アントワープ)
GK ヤニック・トゥーレン(ヘント)
DF シェルドン・バトー(サルプスボルグ/ノルウェー)
DF イッサ・カボレ(ラヒーノ/ブルキナファソ)

ローン加入

MF ヨルディ・ファンレルベルゲ(クルブ・ブルッヘ)
FW ダンテ・ヴァンザール(ヘンク)

昇格

MF アステル・フランクス

out

GK ミハエル・フェリプス(シェフィールド・ユナイテッド/イングランド)
MF セップ・デ・ヴィッテ(ロケレン)
FW ヨルディ・ペッフェル(ライア・リールセ)
FW ディミトリオス・コロヴォス(オモニア・ニコシア/キプロス)
MF アーメド・エル・メサウディ(フローニンゲン/オランダ)
FW アブー・ウアッタラ(リールB/フランス)
DF エルナン・メラ(ジュニオール/コロンビア)
MF グレン・クラース(ヴィルトン)
MF ミゲル・コパド(デュフェル)

ローン移籍

FW マシュー・コルネ(RWDM)
DF ハンネス・スモルデルス(リールセ・ケンペンゾーネン)

契約満了

DF ママドゥ・バガヨコ

引退

FW ティム・マタイス

欧州カップ制覇の実績がある人気クラブ

ブリュッセルとアントワープの中間辺りにある人口8万人のベットタウンのメヘレン。そのメヘレンをホームとする「KVメヘレン」は1904年に創設され、ベルギーリーグ優勝4回、ベルギーカップ優勝2回の実績を誇る。かつてはベルギーの世界的名GKミシェル・プロドームがプレーし、1987-1988シーズンには、UEFAカップウィナーズカップを制覇した名門だ。

90年代になり、当時のオーナーのジョン・コルディエが本業の行き詰まりにより、クラブ運営から撤退すると、財政難に悩まされ、1996-1997シーズンに2部降格。その後、1部に復帰するも2003年に破産し、3部から出直すことになった。クラブを立て直したKVメヘレンは、2006-2007シーズンに1部に復帰。以後、ベルギーでは中位を定位置としている。

ホームのAFASスタディオン・アハター・デ・カゼルネは、2015年にスタジアムを改装し、18000人収容に拡張したものの、近年での人気上昇により、毎試合の平均動員数は15000人近く駆けつけている。2019年のベルギーカップ決勝では、スタッド・ボードワンに2万人以上のサポーターが駆けつけ、決勝の相手ヘントを多く上回った。上位にはなかなか食い込むことはできていないが、人気では上位陣の引けを取っていない。

2000年に元日本代表で現在は解説者を務める遠藤雅大が、ベルギーリーグで初めてプレーした日本人として加入している。2007年から通算9年間、元台湾代表の陳昌源(シャヴィエル・チェン)がプレーしていた。

まさかの降格も1年で復帰

近年は毎年のようにプレーオフ1争いを演じ、あと一歩のところで取り逃がし続けたメヘレン。しかし、2017-2018シーズンを蓋を開けてみると、開幕から低迷。10月にヤニック・フェレーラ監督を解任し、11月にセルビア人のアレクサンデル・ヤンコヴィッチ監督を招聘するもチームは低迷から脱却できず2月には解任。残留請負人のデニス・ファン・ワイク監督が就任し、チームは復調の兆しを見せると、オイペンと残留争いのデッドヒートを繰り広げ、最終節にワースラント・ベフェレンに2-0で勝利するも、同時刻で行われたオイペン-ムスクロンが豊川雄太のハットトリックもあり、4-0で勝利。得失点差で2部降格が決定した。

復帰を目指したシーズンでは、主力の大半が残留し、元ベルギー代表FWイゴール・デ・カマルゴを獲得。開幕ダッシュは失敗し、ファン・ワイク監督を早々に解任し、ヴォウテル・フランケン監督が就任すると、チームは急上昇し、ファーストステージを制覇。チャンピオンシップではベールスホットを破り、1部昇格を果たした。ベルギーカップでも勝利を積み重ね、決勝でヘントを破り、2部のクラブとしては23年ぶりのタイトルをもたらした。

2017-2018シーズンの最終節のワースラント・ベフェレン戦での八百長疑惑が取り沙汰されており、メヘレンは昇格取り消しの可能性はあったが、開幕2週間前にペナルティ無しで昇格が認められた。

フォーメーション

システムは主に4-4-2を採用。コンパクトでコンタクトプレーに長けている守備力をベースとしつつ、フィードに長けているスホーフス、ファン・クレームプットらが供給源となり、ダイレクトプレーで一気にゴールまで雪崩込むロングカウンターを得意とする。2部から研ぎ澄まされた電光石火のカウンターは、1部でも猛威を振るっており、ヘンク、アンデルレヒトらも苦戦を強いられている。

外国人枠が事実上存在しないベルギーリーグにおきながら、現所属選手の7割近くが自国の選手で占めている。今シーズンは、ユース出身のファンレルベルゲがクルブから復帰、左利きのパワーシューターのジョフロイ・ヘーレマンス、ヘントの実力派GKヤニック・トゥーレンと、補強も自国産が多い。スタメン全員が外国籍も珍しくないベルギーにおいては、実に興味深いチームである。

注目選手

FW ニコラ・ストルム

昨シーズンの2部MVP候補にも挙がった元U-21ベルギー代表のウイング。クルブ・ブルッヘのユース出身で10代の頃から将来を期待されていたものの、毎年のように期限付き移籍を繰り返すも、クルブでは出場機会に恵まれず、2018年7月にメヘレンへ完全移籍。自慢の俊足とパンチ力のあるミドルシュートが売りで、左右の両サイドでプレーする。電光石火の速攻を売りとするメヘレンを象徴するアタッカーだ。

FW イゴール・デ・カマルゴ

ヘンク、スタンダール・リエージュ、ボルシアMGなど数多くのクラブを渡り歩くブラジル出身の元ベルギー代表の大ベテラン。近年はキプロスのクラブでプレーしていたが、2018年夏に降格したメヘレンを救うべく国内復帰。安定感あるポストプレーと勝負強さは今も健在。鈴木隆行、大津祐樹、川島永嗣、小野裕二ら、多くの日本人選手と同僚になったことも。

MF ロブ・スホーフス

シントトロイデンの下部組織出身で20歳でキャプテンを任されたこともあるセンターハーフ。ベルギー代表を目指しヘントへ移籍するも出場機会は恵まれず、2018年1月にメヘレンへ移籍。精度の高い左足のロングフィードでカウンターを演出し、フリーキックにも定評がある。少年のような顔つきだが、守備ではえげつないハードタックルを仕掛けることも。

GK ヤニック・トゥーレン

4年間ヘントのセカンドGKを務め、貴重なバックアッパーとして活躍した実力派GK。クロアチア代表GKロヴレ・カリニッチ不在時には、安定感あるセービングでチームを支え、カリニッチ移籍後は正GK昇格の噂もあった。2011-2012シーズンには第3GKとしてメヘレンに在籍しており、7年ぶりに今度は正GKとして復帰を果たす。

DF ユレス・ファン・クレームプット

メヘレンの下部組織出身のU-22ベルギー代表の右サイドバック。上下動を繰り返す運動量が非常に豊富なサイドバックで、鋭いクロスからチャンスを演出する。2部降格後のシーズンから頭角を現しレギュラーに定着。1部でも遜色ない活躍を見せており、攻守の切り替えが激しいメヘレンの核となる。

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