PO1 第7節 ゲンク – アントワープ / 堅守攻略のゲンクが2位確定

PO1第7節、ゲンクのホーム、ルミナスアレナで行われた、ゲンク-アントワープの試合結果です。今回はGWということもあって、いつもの2倍以上のボリュームで、両者の戦術についても触れてみたいと思います。

フォーメーション

ゲンクは前節負傷交代のコロンビア代表DFジョン・ルクミに代わり、ガーナ代表DFジョセフ・エイドーがスタメン。右利きのエイドーが右CBに入り、デワーストが左CBに入った。

アントワープは、前節退場処分のフランス人左WGランカル・ゼ、負傷交代の元ガーナ代表DFダニエル・オパレが欠場。チーム得点王でイスラエル代表のMFリオル・ラファエロフはベンチスタート。本職が守備的MFを務めるマリ代表MFサンブー・ヤタバレが右SBに入り、トップ下にはポルトガル人MFダヴィド・シモン、ウイングにはポルトガル人のイヴォ・ロドリゲスが入った。

ポジションチェンジを繰り返しながら攻めるゲンク

ゲンクは攻撃時にはアンカーのベルゲが最終ラインに入り、両サイドバックのウロネン、メーレが高い位置を取る。両ウイングのトロサール、伊東純也は真ん中に入り、ビルドアップに参加しつつ、両サイドバックとの連携からサイドの突破を図る。

開幕当初からポジションを入れ替えながら攻めるゲンクの攻撃戦術は基本的には変わらないが、伊東純也の加入により右サイドの攻撃が効果的になり、長身のヘイネンが定着することで、ハイボールの選択肢が増えた。ピッチを幅広く使いながらも、ポジションチェンジも頻繁に繰り返すサッカーは、PO1でさらなる進化を果たしている。

カウンター狙いのアントワープ

守備時は4-3-3、5-2-3と変形しながら、担当のゾーンに合わせてブロックを形成するアントワープ。前節のゲントは、両サイドの裏を牽制しながらペースを握っていったが、堅守速攻が基本戦術のアントワープは、ゲンクの攻撃に合わせて、守備ブロックを形成した。

攻撃に関しては、メキシコ代表MFオマル・ゴベア、左SBながらビルドアップにも参加するノルウェー人DFシーメン・ユクレルドらがパスを回しながら、至ってシンプルなアントワープ。スタンダール、アンデルレヒトで実績があり、リーグ屈指のフィジカルプレーヤーであるムボカニにボールを集めつつ、両サイドへ展開して、素早いクロスからゴールを狙う。両WGのイヴォ、バビーは共にカットインを得意とするため、縦への突破と見せかけてミドルシュートも狙う。

サイド攻撃と見せかけて、シモンやバビーが裏を狙っていく形や、ムボカニ自身のターンからゴールを狙うこともあり、得点数こそは伸び悩むものの、ロングカウンターを軸に少人数ながらシンプルで効率の良い戦い方を好む。

立ち上がりにチャンスを作るアントワープ

10分、高い位置でボールを奪ったアントワープが、右へ展開。右WGのイヴォが溜めを作って、クロスを上げると、ゲンクのCB間に侵入してきた、FWディウメルシ・ムボカニが頭で合わせるが、ボールは枠をとらえることができずにゴールならず。13分にもショートカウンターから、イヴォがカットインからミドルシュートを狙うが枠を捉えられず。アントワープが攻撃の形を作った。

攻撃時には6トップにも見える形で攻めるゲンクに対して、自陣ゴール前にフィジカルの強い選手を並べるアントワープ。奪った後は直線的なドリブルを中心にカウンターを仕掛け、ムボカニのポストプレーを軸にサイドに展開してクロスを上げる形で先制点を狙った。球際の激しい守備にはゲンク攻撃陣も手を焼き、ボールポゼッションこそはゲンクが高いものの、チャンスの数ではアントワープが上回る展開でゲームは進んだ。

ハンドで得たPKをマリノフスキーが先制

23分、ゲンクは最終ラインのデワーストのロングフィードから右サイドへ展開。メーレが対面のバビーを躱してクロス。ヘイネンが合わせにきたところ、背後からアントワープDFディノ・アルスラナギッチの手が当たってしまい、ゲンクにPKが与えられた。これをマリノフスキーがきっちり決めて、ゲンクが先制。

追加点を狙うゲンク、31分のフリーキックのチャンスでは、トロサールがグラウンダーで通したボールを伊東純也がシュート。ブロックされるもヘイネンが再び狙うが、アントワープの体を張ったディフェンスに阻まれた。

各選手がポジションを入れ替えながら、分厚い攻撃を演出するゲンクに対し、縦にシンプルにボールを送り、ムボカニのポストプレーを軸に、クロスとミドルシュートで攻めていくアントワープ。ゲンクが先制した後も展開は変わらず、前半は1-0で折り返した。

ミスからサマッタが追加点

後半に入り、立ち上がり47分。ゴールキックからの連携で右サイドを抜けたムボカニがクロス。DFに当たったところをイヴォが拾いシュート。ゲンクGKヴコヴィッチがパンチングで弾くと、こぼれ球を左SBユクレルドがシュートを放つが、ゲンク守備陣が防ぎ続けた。

55分、ハーフウェーライン付近でボールを回すアントワープ。トップ下のシモンがバックパスを出したところ、ゲンクのエースストライカー、ムブワナ・サマッタに渡ってしまい、サマッタがバイタルエリアからミドルシュートを突き刺し、ゲンクが待望の追加点を奪った。

トロサールのクロスから伊東純也がダメ押し

2点奪われたアントワープ。前がかりになって、高い位置からボールを奪いに行った。逆に57分に、最終ラインのデワーストの縦パスが左サイドのトロサールに渡ると、得意のドリブルでDFアルスラナギッチを躱してクロス。ファーサイドに走ってきたFW伊東純也が右足で合わせ、ゲンクがダメ押しの3店目を決めた。

3点差をつけられたアントワープ。63分にバビーを下げて、ガーナ人FWウィリアム・オウスを投入。67分にはシモンを下げて、チーム得点王のMFリオル・ラファエロフを投入。75分にはムボカニが決定機を迎えるが決めきれず。

3店目を決めて試合をほぼ決定づけたゲンクは、66分にマリノフスキーを下げて、守備的MFのドリース・ワウテルスを投入。堅実なゲーム運びでアントワープの抵抗を躱しつつ、83分にはサマッタを下げ、FWガノ、89分にはデワーストを下げて、DFルビン・セーゲルスと、出場機会が恵まれない選手を投入。アディショナルタイムには、カウンターからPKを得て、これをヘイネンが決めてダメ押し。ゲンクが4-0で堅守アントワープ相手に大勝を収めた。

盤石のゲンク、優勝が目前に

結果としては4-0で大勝したゲンクだったが、前半はカウンターからチャンスを得るなど、アントワープの健闘が目立っていた。しかし、得点力は1トップのムボカニに依存し、頼みのセットプレーも決めきれずに、先制点を食らっていては、先行逃げ切りを得意とするアントワープも厳しい。先制されても悪くはなかったアントワープだが、後半の2失点目の要因になったシモンのミスパスは痛く、ゲームプランを崩してしまったと言えるだろう。

勝利したゲンクは前節同様、相手チームの抵抗を受けるものの、先制したあとは危なげない試合運びに終始。スタンダール、ゲント、アントワープと、それぞれのチームが様々な対策を練ってくる中、高い集中力で攻撃を躱し、僅かなミスも逃さず、得点を重ねている。レギュラーシーズン首位のクラブは、勝ち点が伸び悩む傾向はあるが、これで6勝目と好調をキープしている。3試合を残し、2位以内は確定。来週の2位クルブとの直接対決で勝利すると、8シーズンぶり4回目の優勝が確定する。

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