鎌田大地代表デビュー戦雑感

2019-03-26

STVV(シント・トロイデン)所属のFW鎌田大地が、日本代表初招集され、日本-コロンビアに途中出場したので、ちょっとした感想なり書こうかと思います。

STVVではストライカー

日本代表ではFWで登録され、Jリーグ時代でのプレーを見て、現在のベルギーリーグでのプレーを見ておられない人にとっては、鎌田がゴールラッシュをしている現状に驚きを感じているのかもしれません。

鎌田がゴールラッシュをしていた昨年12月上旬までの主なフォーメーション。鎌田は2トップの一角として起用されていました。フィジカルが強くボールを収められるCFのボリに対し、鎌田はディフェンスラインの裏を狙ったり、ペナルティエリア内の僅かなスペースからゴールを狙うフィニッシャーが主な仕事です。

Jリーグでは主にパサーとしてのイメージが強いですが、推進力に優れ自陣からボールを運べる、元U-23ベルギー代表MFジュリアン・デ・サール、フィジカルの強さを活かしたキープ力とラストパスが魅力のウクライナ代表MFロマン・ベズスがその役割を果たしており、鎌田はJリーグ時代とは異なり、「ボールを受けてフィニッシュを決める側」として、ベルギーでは成功を収めています。

周りのサポートに応えた鎌田

ゴールを量産していた頃のSTVVの各選手の役割について図にしてみました。ちょっと使い慣れていないので曖昧ですが、こういった形になっていました。

鎌田以外の他の選手の役割を説明します。

2トップでコンビを組むFWヨアン・ボリは、フィジカルが強く、ボールを収められるため、主にポストプレーを担当。センターハーフの10番ベズスはキープとパス、デ・サールは自陣からボールを運ぶリンクマン、両WBはタッチライン際まで広く使い、超攻撃的なボタカが大外から突破を図り、左のデ・ノーレが攻守のバランスを取りながら、組み立てとクロスでチャンスを演出します。

主に右サイドの選手はキープ力が高く、相手選手を多く引きつけることがあるため、鎌田に対してはやや手薄になる傾向が、前半戦に目立っており、ゴールも多く決めることができました。

窮屈な日本代表では得点は困難

代表初キャップとなったコロンビア戦では、79分に南野拓実との交代で11分間出場。STVVでも1試合のみ出場した1トップでの出場で、裏への抜け出しで決定機を伺ったが、2度のオフサイドなどで得点チャンスは得られず。ボールを持っていない中で、相手DFとの駆け引きで僅かなスペースを模索する動きを見せていたが、なかなかボールが入ってこず、見せ場はありませんでした。

他の選手のことはほとんど意識せず、鎌田ばっかり見ていましたが、鎌田の動き出し自体は、STVVでのプレーとはほとんど変わったところはなく、普段どおりだったと思います。

ただ、プレーしているのがSTVVではなく、日本代表ということもあって、やはりピッチでの状況は大きく異なりました。相手のコロンビアが横幅を圧縮しており、ゴールは困難だと感じましたが、それ以上に日本が中央に寄り過ぎて、ごちゃごちゃとした印象が強く残りました。

STVVでは両WBのボタカ、アコラツェの両者が横幅を取って、相手の守備陣を横の動きで揺さぶって、相手の守備に隙ができたところを、鎌田が狙う形も取っていましたが、この時間帯で日本の中盤を担っていた選手が、ドリブルやパスで仕掛けているようで、実は真ん中しか攻めていないので、鎌田の立場から見ると、窮屈にしか見えませんでした。

少々きつい言い方をすると「日本代表はチームとして戦っているのかな?」と感じます。STVVが各ポジションの選手の役割が分かりやすいものに対して、日本はそれがハッキリしていなくて、それぞれがアドリブでプレーしているように感じられました。個人的には周りの選手達には、鎌田のためにスペースを作る動きをして欲しいですが、期待できないだろうなあとは感じました。

あくまでもチームでの得点

いつもTwitterなどでも言っていますが、日本のニュースサイトやTwitterのタイムラインなどで流れてくる日本語のベルギーリーグの情報は、いかにも「日本人視点で切り取った」偏った情報しか入っていません。

家長昭博、三竿健斗、久保建英、レオ・シルバ、パトリックといった選手を、Jリーグを見ている人は当たり前に知っているように、現地のファンが当然の知っている、ヴァナケン(クルブ・ブルッヘ)、トロサール(ゲンク)、クムス(アンデルレヒト)と言ったベルギー代表級の選手達や、17歳の新星ヴェルスハーレン(アンデルレヒト)、ルーマニア代表の主力であるマリン(スタンダール)、バルサも注目するジョージアの新鋭MFチャクヴェダゼ(ゲント)、元スペイン代表のルイス・ガルシア(オイペン)などを頭に入っているものかと思いますが、日本人の需要を満たしたものだけを切り取った、日本語での報道では触れることは滅多にないでしょう。

だから、日本人視点だけで見てしまうと、鎌田大地がベルギーリーグでは敵なしのように見えてしまうのかもしれませんが、あくまでもチーム全員で得たゴールであり、チームのサポートが無ければ、この結果はありません。

実際、12月以降になってからは、ボックス内での侵入経路を研究され、尚且チーム戦術の重要な核であるベズスがゲントへ引き抜かれたため、ラストパスの供給が乏しくなり、今年に入ってからは僅か2得点。ベズスの後釜に獲得した選手がフィットしなかったため、鎌田がチャンスメークに奔走され、フィニッシュに絡む回数も少なくなったのが、トーンダウンの原因と言えるでしょう。

新戦力がフィットできないのは組織の問題とも

今年1月にアンデルレヒトからシャルルロワへ移籍した森岡亮太が、合流後2日後のムスクロン戦に途中出場し、試合に破れたものの好パフォーマンスで、今年はなかなか振るわなかったアンデルレヒト時代での不調を払拭する活躍を見せていました。次節でも1週間ほどしか一緒にプレーしていない、イラン代表MFゴリザデとの連携で高速カウンターを仕掛けるなど、現地メディアでは「何人も前からいるようだ」とも称賛されていたようです。

代表で新戦力が活躍できなかったら、「合流直後ではフィットしなくて当然」という声は当然出てくるものですが、ベルギーで活躍している選手達の早い順応性を見ていると、一方的に合わせられない選手の責任と見るのは、個人的には違うと感じます。

日本とSTVVでは、揃っているメンバーが異なるため、上記のツイートは暴論といってもいいと思います。ただ、大迫勇也のように、世界屈指のCB相手にでもポストプレーができて、プレッシングも裏抜けも総合的にこなす選手など、ほとんどおらず、鎌田や鈴木武蔵、北川航也などの他のFWに一方的に同じことを求めるのは、かなり厳しく感じます。

チームは個人のために、個人はチームのために

今回は普段から鎌田大地を見ている側の視点に、大きく偏った記事にしました。おそらく賛否両論はつきものでしょうが、やはり選手個人にとって、得意なプレーであったり、周りがどう動くべきかは語られるべきかと思います。逆に強いチームを作る上で、周りの選手が鎌田に要求するべきところもあるでしょう。

個人がフルのパフォーマンスを出すには組織がどうあるべきか?
はたまた強靭な組織を形成するためには個人がどうあるべきなのか?

一方的に既存の主力選手の代わりを求めるのではなく、より良いサッカーができるため、個人も組織も常に変化をしていく考え方が大切かと感じます。

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