第22節 STVV-ゲンク / リンブルグダービーはゲンクの力勝ち。鎌田と関根はほろ苦い試合に

2019-01-26

2019年初のベルギーリーグ、前半戦好調の6位STVVが、ホームのスタイエンで、首位のゲンクを迎えた、リンブルグダービーの試合結果です。

スターティングメンバー

STVVは年明けに不動の左SBカスパー・デ・ノーレをゲンクへ放出。冨安、遠藤がアジアカップで不在。センターハーフのMFロマン・ベズス、サイドアタッカーのMFエルトン・アコラツェは累積警告により出場停止。従来の3-1-4-2から、4-1-4-1にフォーメーションを変更し、左SHには関根貴大が今季初スタメンで起用された。

ゲンクは、オーストラリア代表GKダニー・ヴコヴィッチがアジアカップのため不在になり、U-21ベルギー代表のGKノルディン・ヤッケルスが今季初出場。左SBには、STVVから獲得したばかりのデ・ノーレではなく、フィンランド代表の左SBイェーレ・ウロネンが入った。

開始早々に間接FKからSTVVが先制

アウェーのゲンクサポーターが、発煙筒を焚き付けて、スタジアムの煙が充満したため、視界が晴れるまで10分間試合開始が遅れたリンブルグダービー。

試合開始早々に、ゲンクの左サイドを攻めたSTVVは、相手ディフェンスのバックパスを誘い、これを今季初出場のヤッケルスがキャッチ。ペナルティエリア内の間接フリーキックのチャンスを得たSTVVは、鎌田大地のキックから、ゴール前にフリーになっていたキャプテンのジョルダン・ボカタが冷静に押し込んで、STVVが先制。

出鼻をくじかれたゲンクは、最終ラインからボールを繋いで、同点ゴールを伺うものの、幸先良い立ち上がりのSTVVは、4-5-1の固いブロックとしつこいマンマークで対応。ゲンクはビルドアップでのパスミスが目立ち、STVVの守備陣に引っかかる場面が多く、9分にはショートカウンターからボリが裏を抜けてシュートを放つなど、序盤はSTVVの流れでゲームが進んだ。

ミスを逃さずサマッタのゴールで同点に

序盤はボールポゼッションで圧倒していたものの、ビルドアップのパスが引っかかり、低調だったゲンク。STVVは巧みなラインコントロールでゲンクの攻撃陣を封じ込め、カウンターを上手く発動していた。

15分過ぎから、STVVが最前線のボリ、この日はセンターハーフに入った鎌田にボールを集め、ボールを落ち着いて保持するような展開に。しかし、STVVのゴールゲッターに対して、ウクライナ代表MFルスラン・マリノフスキーが激しくチェック。ファールはもらうものの、マリノフスキーの激しいディフェンスに苦しまれた。

それでもSTVVは17分に、高い位置でボールを奪うと、鎌田大地のスルーパスから、ボリが裏に抜け出して、シュートを放つものの、ゲンクの若手GKヤッケルスが足でセーブ。STVVは追加点を奪えないものの、決定機を演出した。

思うようにゲームを進めず、固いSTVVの守備陣を崩せないゲンクだったが、28分に鎌田に対して、マリノフスキーとメーレが挟み込んでボールを奪い、右WGのエンドンガラへパス。エンドンガラがすかさず最前線へスルーパスを出すと、タンザニア代表FWムブワナ・サマッタが巧みな抜け出しで裏に抜けると、相手GKステッペも抜いて、無人のゴールに流し込み、ゲンクが同点に追いついた。サマッタは今季16得点目。

同点に追いついたゲンクは、再びペースを握り、ゲームを優勢に進めた。立ち上がりは良いところがなかったノルウェー代表MFサンデル・ベルゲが、積極的に攻撃参加。序盤は巧みなラインコントロールでゲンクの攻撃陣を封じ込めていたSTVVのディフェンスラインも、同点に追いつかれてからは、徐々に下がりはじめた。前半は1-1で終了。

一方的な展開だが、FKでSTVVが勝ち越し

後半からは前線からの守備も散漫になり、ディフェンスラインが下がる一方のSTVV。マンマークディフェンスでゲンクの攻撃陣に食らいつこうとするものの、前半の鳴りを潜めていたベルギー代表FWレアンドロ・トロサールが、STVVの右サイドを圧倒。いつ逆転してもおかしくない展開に。

62分に最終ラインから、鎌田を躱したノルウェー代表MFベルゲが、195cmの大柄な体でドリブルで中央突破。バイタルエリアまで持ち込み、中央に侵入していたポスエロが折り返し、トロサールがミドルシュート。これをSTVVの守護神ステッペが防ぐものの、巧みなポジションチェンジでかき回すゲンクの攻撃陣を捉えきれず、苦しい展開に。

劣勢のSTVVだったが、68分にボリのポストプレーから、アサモア→鎌田と繋ぎ、左サイドから中央に侵入してきた関根が裏を狙うが、ボールコントロールが上手く行かず、決定機を逃した。

70分、前線で奮闘するボリが、バイタルエリアでファールを誘発。自ら得たフリーキックのチャンスを、壁の下を通す技アリのシュートで、劣勢のSTVVが再び勝ち越した。前線で孤立しながらも、前半からキープに奔走していたボリは、殊勲のゴールを叩き込んだ。

抵抗するSTVVを力でねじ伏せたゲンク

勝ち越されたゲンクだが、74分、右サイドでタッチライン際のボールを残したボカタからボールを奪ったウロネンから、トロサールへ。ポスエロにボールを預けて、左サイドへ流れたサマッタがテイシェイラをひきつけて、裏のスペースにボールを入れると、トロサールが左足でゴール右隅にシュートを放ち、ゲンクが同点に。

80分、中央でボールを受けたポスエロがスルーパス。ディフェンスラインと激しく駆け引きをするトロサールが、対面のサンコンを振り切り裏に抜けると、GKステッペを誘き出してから横パス。最後はエンドンガラが無人のゴールに流し込み、ゲンクが逆転。

本調子ではないが盤石のゲンク

リンブルグダービーは3-2でゲンクが勝利。前半はSTVVが先制点を得て、ショートカウンターからチャンスも演出し、ペースを握っていたものの、一瞬の隙を逃さないゲンクが同点。ラインが下がったSTVVに対して、コンビネーションで崩したゲンクが力の差を見せつけることになった。

守備陣は今季初出場のヤッケルスに硬さが見られ、攻守ともにスタイエンの人工芝の弾むピッチに苦しみ、ボールコントロール、パスミスが目立ったが、サマッタの同点ゴール以降は、落ち着きを取り戻した。リーグを独走し、ヨーロッパリーグでも爆発的な攻撃力を見せつけるゲンクだが、本調子とは言い難いものの、ダービーでの勝利は、2010-2011シーズン以来の優勝に向けて、幸先良いスタートを切ったと言えるだろう。

ほろ苦い鎌田と関根

待望論があったものの、今回はアジアカップに招集されなかった鎌田大地、ゲンク戦はベズスが不在ということもあり、センターハーフでプレーすることになった。先制点のきっかけになるプレッシングに、2度のスルーパスでの決定機演出など、攻撃面では光る場面はあったものの、1失点目の原因になるボールロストや、マークに当たっていたベルゲに対する守備など、大きな課題を残した。4試合得点無し、相手チームのスカウティングもあり、ここが正念場と言えるだろう。

今季初スタメンの関根。フォーメーションを変更し、左SHでの出場になったものの、前半は攻守でアグレッシブな動きで仕掛けていたものの、試合が進むたびに鳴りを潜めた。対面のメーレが不調で、ゲンクの攻撃が逆サイドが中心で、見せ場が少なく、劣勢のチームにパフォーマンスも引っ張られた。68分の決定機をトラップミスで逃し、ヒーローになりそこねた。次節は同ポジションのアコラツェが戻るため、厳しい状況は変わらないだろう。

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