2018-2019ベルギーリーグプレビュー Vol.11 KVコルトライク

ベルギーリーグプレビュー第11回目。今回は昨シーズンのレギュラー争いでもプレーオフ争いを演じた、中堅クラブのKVコルトライクです。

 

所属選手

※赤文字は新加入、青文字はローン移籍
2018.12.13現在

GK

1 セバスティアン・ブルッツェーゼ ベルギー 1989.1.3(29歳)
12 ヤルノ・デ・スメト ベルギー 1999.2.5(19歳)
26 トーマス・カミンスキー ベルギー 1992.10.23(25歳)

DF

3 モハメド・ナデリ イラン 1996.10.5(22歳)
4 ガリー・カヘルマチェル ウルグアイ 1988.4.28(30歳)
6 ルカス・ルジョー フランス 1994.3.10(24歳)
13 ブレンダン・ハインズ=アイケ アメリカ 1994.11.30(24歳)
25 アルーヌ・カマラ セネガル 1997.8.9(21歳)
29 アンドリー・バツラ ウクライナ 1992.2.6(28歳)
30 クリストフ・ダーネ ベルギー 1990.6.6(28歳)
31 アントニー・ヴァン・ロー ベルギー 1988.10.5(30歳)
72 ペター・カヴロヴィッチ セルビア 1994.7.13(24歳)
  プリンス・カソンゴ DRコンゴ 1999.4.28(19歳)

MF

2 ベルナルド・クモルジ ガーナ 1985.3.21(33歳)
5 ラリー・アズーニ チュニジア 1994.3.23(24歳)
8 アブデル・アジャグン ナイジェリア 1993.2.10(25歳)
10 カヌ ブラジル 1987.2.23(31歳)
11 ヨヴァン・ストヤノヴィッチ セルビア 1992.4.21(26歳)
14 ハンネス・ヴァン・デル・ブリュッゲン ベルギー 1993.4.1(25歳)
15 クリストフ・ルポワン ベルギー 1984.10.24(34歳)
17 メディオン・ホハ コソヴォ 1999.7.27(19歳)
19 タイロン・イヴァノフ ベルギー 1997.7.17(21歳)
21 ハリス・ハリシス ギリシャ 1995.1.12(23歳)
23 ジュリアン・デ・サール ベルギー 1994.12.23(23歳)
26 エルシム・ローラン フランス 1986.3.3(32歳)
27 イディル・ウアリ アルジェリア 1988.5.21(30歳)
 アベル・カソンゴ DRコンゴ 1999.1.2(19歳)

FW

7 イロンベ・エムボヨ ベルギー 1987.4.22(31歳)
9 テディ・シュヴァリエ フランス 1987.6.28(31歳)
18 ジャン・マルコ・トゥアリ コートジボワール 1992.3.10(26歳)
20 フェリッペ・アベナッティ ウルグアイ 1993.4.26(25歳)
39 イモー・エゼキエル ナイジェリア 1993.10.24(25歳)

監督

イヴ・ヴァンデルハーゲ 1970.1.30(48歳)

移籍


青文字は期限付き移籍
緑は期限付き移籍満了
紫は期限付き移籍→完全移籍

加入

GK ヤルノ・デ・スメト(ロメル)
DF モハメド・ナデリ(トラークトゥール・サーズィー/イラン)
DF アンドリー・バツラ(オレクサンドリア/ウクライナ)
DF アリウヌ・カマラ(イアン・マタム/セネガル)
DF ブレンダン・ハインズ=アイケ(エーレブール/スウェーデン)
DF プリンス・カソンゴ(TPマゼンベ/DRコンゴ)
MF アベル・カソンゴ(TPマゼンベ/DRコンゴ)
MF カヌ(オモニア・ニコシア/キプロス)
MF ジュリアン・デ・サール(ミドルスブラ/イングランド)
MF ジャン・マルコ・トゥアリ(サリテス/ブルキナファソ)
MF ハリス・ハリシス(PAOK/ギリシャ)
FW イロンベ・エムボヨ(シオン/スイス)
FW イモー・エゼキエル(ラス・パルマス/スペイン)
FW フェリペ・アベナッティ(ボローニャ/イタリア)

放出

GK ジレス・レンツ(ルーセラーレ)
DF エリク・パーマー=ブラウン(マンチェスター・シティ/イングランド)
DF ブライアン・ヴェルボーム(ズルテ・ワレヘム)
DF ユスフ・アッタル(ニース/フランス)
DF レナール・デ・スルム
DF イェヴヘン・マカレンコ(アンデルレヒト)
MF エルヴェ・カジェ(デミルスポル/トルコ)
MF シディ・サール
MF ルーカス・ヴァン・エーノー(ウェステルロ)
FW ジェレミー・ペルベ(クルブ・ブルッヘ)
FW タナシス・パパゾグル(ハポエル・ハイファ/イスラエル)

70年代に台頭したコルトライク

創設は1901年。ベルギー西部のヴェストフランデレン州のコルトライクで、前身に当たる「SCクルトゥシエン」が設立。2部から4部辺りを定位置とするが、1918年に同じくコルトライクをホームとする「FCクルトゥシエン」と合併し、「クルトレ・スポルト」が設立された。

1951年にフランス語表記の「クルトレ・スポルト」から、オランダ語表記の「コルトライク・スポルト」に改称。1971年にスタッド・クルトレと合併し、1971年に「KVコルトライク」が設立されて、今に至る。

ヴァンハーゼブルック監督時代に台頭

1976年に初めてトップリーグに昇格すると、1990年までに15シーズン、1部に在籍。しかし、1992年を最後に2部に降格すると、2部が定位置になり、2000年にはクラブの財政破綻により、プロライセンスが剥奪され、3部降格になった。

転機が訪れたのは2006年。地元出身でコルトライクでもプレーした、ハイン・ヴァンハーゼブルック(現アンデルレヒト監督)が就任。在籍2年で1部に復帰させると、1年目はシェイク・クヤテ(現クリスタルパレス)らの活躍により、14位で終わり、チームを残留。2009-2010シーズンでは、クラブ史上最高の順位である5位に導いた。

ヴァンハーゼブルック監督はシーズン後にゲンクに引き抜かれ、コルトライクはジョルジュ・レーケンス氏を招聘したが、就任1年後にベルギー代表監督に就任したため退任。後任にはゲンクを半年で解任されたヴァンハーゼブルックがコルトライクへ復帰すると、当時ベルギーでは珍しかった「3-4-3」へシステムを変更。2011-2012シーズンには、レギュラーシーズンでトップ争いを演じ、チームは優勝プレーオフへ進出。ヴァンハーゼブルックはこのシーズンの最優秀監督を受賞した。

ヴィンセント・タン氏のクラブ買収

ベルギーリーグで中堅クラブの立場を確立していたコルトライク。2015年5月に、マレーシアの実業家で、現在イングランド・プレミアリーグのカーディフ・シティのオーナーを務める、ヴィンセント・タン氏が500万ユーロでクラブを買収した。

ヴィンセント・タン氏といえば、2013年にカーディフ・シティのユニフォームやエンブレムを青から赤基調に独断で変更したことにより、サポーターから批判を受け、世界的にも不評を買ったが、コルトライクは元々赤基調のため、問題はなく、今日までオーナーを務めている。

カーディフ・シティとも業務提携を結んでいるが、モナコとセルクル、レスター・シティとOHルーヴェンのような、ローン移籍はほとんど行っておらず、オーナー自身が観戦することは少ないのが現状である。

フォーメーション

昨シーズンは、シーズン序盤から15位と低迷したが、10月に就任したグレン・デ・ブーク監督が途中就任ながら、スタンダール・リエージュと優勝プレーオフ出場権を最後まで争ったが、今シーズンは序盤から低迷。11月15日に解任され、後任にはゲントを解任されたばかりのイヴ・ヴァンデルハーゲが就任した。

ヴァンハーゼブルック監督時代は3-4-3が基本だったが、現在では4-3-3で戦うことが多いコルトライク。監督交代前後でもシステムは大きくは変更していないが、試合ごとでメンバーを多少入れ替えている。

チームの軸になるのは、昨シーズン21得点のフランス人FWテディ・シュヴァリエ。右サイドに攻撃が偏りやすいが、今シーズンは元ベルギー代表で、2010-2011シーズンに所属していたFWイロンベ・エムボヨ、スタンダール・リエージュで活躍したナイジェリア代表FWイモー・エゼキエル、ウルグアイ人のフェリペ・アベナッティなど獲得し、得点力の増加を目論んだ。

注目選手

FW テディ・シュヴァリエ

ズルテ・ワレヘム、コルトライクで、10年近くもベルギーリーグで活躍している、フランス人のサイドアタッカー。サイドからの鋭い突破力と思いっきりの良いシュートで、昨シーズンは得点王のハルバウィ(現ズルテ・ワレヘム)についでの21得点で、コルトライクのエースとしての役割を果たしている。フランス出身だが、リーグアンでの出場経験はなく、キャリアの大半をベルギーで過ごす。

MF ジュリアン・デ・サール

父親は2008年の北京五輪代表監督で、スタンダール・リエージュの下部組織出身のディフェンシブハーフ。トップチームデビュー後は、10代ながら主力を担い、優勝争いに大きく貢献し、将来のベルギー代表入りを期待されたが、2015年にミドルスブラ移籍以降は伸び悩んだ。球際の激しさと積極的な飛び出しでチームに活力を与える。STVVのアレクシス・デ・サールは実弟。

MF ヨヴァン・ストヤノヴィッチ

今シーズンは、開幕から7得点と活躍する、セルビア出身のオフェンシブハーフ。セルクル・ブルッヘの下部組織出身だが、若手時代はほとんど出場機会がなく、20歳で一度セルビアへ帰国。OFKベオグラード、ラズニツキ・オブレノヴァツ、ヴォイヴォディナ、ヴォジュドヴァツなどのセルビアのクラブを経て、2017年にコルトライクへ移籍。高さとキープ力が魅力的な191cmのトップ下として、コルトライクでは不動の地位を築く。

 

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