Oostende – Gent / 後書き:久保がゴールを量産できる理由について

2017-05-10

オーステンデ-ゲントを見てて、引っかかった部分を書いてみます。

攻撃時は5トップを形成するゲントの攻撃


基本システムは3-4-3を採用することが多いゲント。ベルギーリーグでは3バックを起用するチームは非常に珍しく、ズルテ・ワレヘム、シャルルロワなども3バックで戦う試合はあるが、今のベルギーではゲントくらいではないかと思います。

チームの特徴は、両サイドのウイングバックの運動量が豊富で、守備時は5バック、攻撃時は5トップを形成する、好守で両サイドを幅広く使います。パス本数はリーグトップを記録することから。ボールポゼッションは高めで、縦に速くボールを蹴っていくスタイルのチームが多いベルギーリーグにしては、横パス、バックパスも非常に多く見られます。


5トップを形成することで、両サイドのタッチライン際まで、横幅をめいいっぱいに使うサッカーを可能としています。相手が4バックを採用するチームに対しては、相手の守備陣がサイドへ引きずり出しやすくなるため、選手間の距離が空いたところをクロスやスルーパスを狙っていきやすくなります。

優先すべきことはピッチを広く使うこと

パス本数が多く、ポゼッションサッカーを展開するゲントだが、今シーズンに関しては、細かいパスミスも目立ちます。今シーズンに関しては、チームの屋台骨となるセンターラインのキーパーソン、MFスヴェン・クムス(現ウディネーゼ)、FWローラン・ドゥポワトル(現ポルト)の放出の影響が大きさを感じざるを得ません。視野が広く鋭いスルーパスを持つプレーメーカーのクムスと、アバウトなボールも懐にしっかり収めることが出来、尚且つ決定力も高いドゥポワトルの穴は、別の選手が務めているが、どうしてもクオリティが低く、今季の苦戦の大きな要因になりました。

しかし、ゲントのサッカーはピッチを広く使うことが特徴で、選手間の距離は縮めるわけではありません。日本代表やJリーグでは、パスサッカーを標榜するチームでは、豊富な運動量を活かしながら、選手同士の距離を縮めて、ショートパスを連続していくサッカーを展開するチームが多く、久保裕也が所属していた京都サンガFCも、密集してボールを繋ぐことが多いチームでした。しかし、ゲントの場合は、ポジションチェンジでウイングバックの選手が中央に入ってくることはあっても、その代わりに大外のポジションに他の選手が入るなど、両サイドの選手は必ず誰かしら張っていることが大半です。

昨シーズンのチャンピオンズリーグや、今季のヨーロッパリーグなどでもも、バレンシアやトットナムなどの強豪相手にも、ポゼッションで上回ることがあり、データからするとパスサッカーを展開するチームに思われるかもしれません。しかし、クロスやスルーパスなどからゴールを狙っていくためには、やはりスペースを作らないといけません。スピーディーな展開で、中遠距離のパスを通すには、ショートパスを繋いでいくよりは難易度が高くリスクは伴うが、相手の陣形を崩していくためには、「ピッチを広く使う」ことは当然求められると思います。

選手間のスペースを狙っていく久保裕也

今冬にヤングボーイズからゲントへ移籍した久保裕也のゴール数が急激に増えているのは、彼の個の能力に依る部分も大きいですが、サイドに揺さぶって出来たスペースをチームで作っている面も大きいかと思います。スペースにしっかり侵入できる動き自体は、今はボランチを主戦場としているデヤーゲレがこなしてはいたが、決定力の面で物足りなさがあっただけに、「ゴールを決める」という仕事をこなせる久保はゲントにおいて、ぴったりハマった補強といえます。

久保のセンセーショナルな活躍により、4大リーグへの移籍を熱望する声はありますが、「ゴールを量産できる理由」は把握する必要はあるかと思います。同時に今所属しているゲントのサッカーも、今後共もっと楽しんでもらえたら…と思います。

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KAA Gent

Posted by shevkengo